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6件
米朝ばなし 上方落語地図
著者 桂 米朝
親しまれ続けた落語の主人公ゆかりの場所100箇所あまりを、上方諸地に訪ね、その数々を名文で語った、笑いの巡礼記ーー。古典落語の世界は、庶民がその人生の哀歓を生きた社会である。横町のきいやんや大家の娘(とう)さんの姿を、「三十石船」のくだった淀川、「野崎参り」の道筋からすくい出し、彼らの息吹きをよみがえらせる。軽妙な語り口で紡がれ、かえらぬ上方のいにしえが見事に活写される、「もうひとつの落語」がここにある。稀代の名人・桂米朝の昔語りがたっぷり。落語が好きでたまらない人にも、探訪記やエッセイを愛する人にも、かけがえのない一冊!
米朝ばなし 上方落語地図
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米朝ばなし 上方落語地図
2002/06/23 23:56
キジも鳴かずば撃たれまいから、イカあげまで
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:せいじろうず - この投稿者のレビュー一覧を見る
上方の古典落語に出てくる「場所」をキーワードにして、その場所の歴史をひも解くおもしろい本です。たとえば「キジも鳴かずば撃たれまい」という言葉の由来となった、淀川にかかる長柄橋の人柱のエピソードであるとか、地元の人だって(きっと)知らないですよね。さすがは米朝師匠ならではの無尽蔵とも思える知識で、意外な発見でいっぱいです。
関西一円、あらゆる場所の古くて新しい話で充ち満ちたこの本、関西に住んでいる人は親しみやすいしめちゃめちゃおもしろく読めるんではないでしょうか。
米朝ばなし 上方落語地図
2015/07/29 23:55
汲めども尽きぬ平易にして奥深い1冊
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:tadashikeene - この投稿者のレビュー一覧を見る
上方落語の有名演目の舞台を取り上げ、その土地のいわれと演目自体の解説を巧みに絡めた博識の筆者ならではの1冊。再開発で落語の時代はおろか執筆当時からも風景が変わったところが多いので随所に載った写真は貴重。事物の旧い呼び方の説明も織り込まれており、落語を聞くのが一層楽しくなる。温かい読後感をもたらす解説は司馬遼太郎氏。
米朝ばなし 上方落語地図
2015/09/30 17:09
本書を片手に上方探検
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ぴんさん - この投稿者のレビュー一覧を見る
もともとは1981年に毎日新聞出版から出されたもの。当時の新聞連載をまとめたこともあって、昭和五十年代の上方の姿が切り取られたような、セピア色の写真を見ているような本。落語好きにも、歴史好きにも、地理好きにもお勧めの一冊。