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日本社会のしくみ 雇用・教育・福祉の歴史社会学
著者 小熊 英二
いま、日本社会は停滞の渦中にある。その原因のひとつが「労働環境の硬直化・悪化」だ。長時間労働のわりに生産性が低く、人材の流動性も低く、正社員と非正規労働者のあいだの賃金格差は拡大している。 こうした背景を受け「働き方改革」が唱えられ始めるも、日本社会が歴史的に作り上げてきた「慣習(しくみ)」が私たちを呪縛する。 新卒一括採用、定期人事異動、定年制などの特徴を持つ「社会のしくみ」=「日本型雇用」は、なぜ誕生し、いかなる経緯で他の先進国とは異なる独自のシステムとして社会に根付いたのか? 本書では、日本の雇用、教育、社会保障、政治、アイデンティティ、ライフスタイルまで規定している「社会のしくみ」を、データと歴史を駆使して解明する。【本書の構成】第1章 日本社会の「3つの生き方」第2章 日本の働き方、世界の働き方第3章 歴史のはたらき第4章 「日本型雇用」の起源第5章 慣行の形成第6章 民主化と「社員の平等」第7章 高度成長と「職能資格」第8章 「一億総中流」から「新たな二重構造」へ終章 「社会のしくみ」と「正義」のありか
日本社会のしくみ 雇用・教育・福祉の歴史社会学
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日本社会のしくみ 雇用・教育・福祉の歴史社会学
2019/07/22 16:15
日本社会で感じる違和感を数字と統計で分析しており、これまでになかった納得感
6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ぴんさん - この投稿者のレビュー一覧を見る
新書でありながら600ページという常識外れの分厚さにまず目を剥きました。もし本書が学術出版であれば、内容を正確に伝えるタイトルをつけるとしたら、さしずめ『詳説 日本型雇用システムの形成史』となるところ。本書がそういう内容のものになった事情は、あとがきに書かれています。もともとは、日本の戦後史を総合的に、つまり政治、経済、外交、教育、文化、思想などを連関させ、同時代の世界の動向と比較しながら歴史を描くという構想だったようです。ところが、研究を進めていくうえで、「カイシャ」と「ムラ」を基本単位とするようなあり方を解明しなければならないと考え、日本社会の暗黙のルールとなっている「慣習の束」の解明こそが本書の主題、となったとのこと。これはもはや、日本型雇用システムの形成史に関する、現在の時点の知見の相当部分を包括的に取り入れたほとんど唯一の解説書になっています。社会政策とか労働研究といった分野の研究者が、細かなモノグラフは書くけれどもこういう骨太の本を書かないものだから、これから長い間、日本型雇用システムの関する定番の本になる可能性が高いでしょう。
日本社会のしくみ 雇用・教育・福祉の歴史社会学
2019/09/06 12:45
分厚さが気にならない
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ぱんださん - この投稿者のレビュー一覧を見る
新書とは思えない分厚さに驚きましたが、非常にわかりやすく、しかし丁寧で読みやすかったです。時間のない方は最初と最後の章を読むといいかもしれませんが。
歴史を紐解き、これからどのような社会を目指すのか?
いろいろと考えさせてくれる内容でした。
2019/09/03 15:31
日本
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ぽぽ - この投稿者のレビュー一覧を見る
日本社会として働くことのむずかしさを、客観的に書かれているので、納得しながら読むことができました。勉強になる。