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渋沢栄一「青淵論叢」 道徳経済合一説
〈『論語と算盤』よりも明快!〉
渋沢栄一「最後の肉声」を現代語訳。
読めば、2021年大河ドラマ『青天を衝け』が、ぐっと味わい深くなる!
■怒濤の人生を回顧し、現代人に希望を託す、畢生のメッセージ■
時勢が緊迫する昭和のはじまりにあって、人生の黄昏を迎えていた「日本資本主義の父」は、
後世に何を言い遺こそうとしたか。
「家訓」にはじまり、倫理観、経済観、政治観、人生観など広汎なテーマについて32項目にわたって、
幕末維新の経験をふまえ、日本の明日を憂いながら語り尽くした談話集「青淵論叢」を、
渋沢という人物を知り尽くした鹿島茂が読みやすく現代語訳し、さらに懇切に解説。
「金というものは社会の力を表彰している役にたつ道具ですから、これを貴ぶのは正当なことですが、しかし、必要な場合にはよくこれを消費しなければなりません。消費はもちろんよいことなのです。よく集めてよく散じ、もって社会を活発にし、それによって経済界の進歩を促すのはまさに有為の人が心がけなければならないことなのです。真に経済のよくわかった人は、よく集めてよく散じるようでなければなりません。よく散じるとは正当に支出することです。金を善用することです」(本書「富者の要務」より)
「江戸の封建主義に代わって明治・大正の資本主義が登場しても、官は官のもの、民は民のものという疎外的分担体制はよりひどくなっている。
これは、自分にも責任があるのだから、なんとしても最終解決しなければならない。
では、どうすればいいのか?
これが、日本の資本主義をほとんどゼロから独力で作り上げた渋沢が古希にあたって再度、自分に問いかけた疑問だったのである」(本書「編訳者解説」より)
【本書の主な項目】
立身出世の秘訣/信用を得る人得ない人/叱言(こごと)の云い方/真の成功とは何か/予の人物鑑識法/大国民は斯う有り度い/外来思想と咀嚼消化の力/国家観念と世界主義/政治経済と道徳観念/道徳と経済の合一説/事業経営に必須の条件 ほか
渋沢栄一「青淵論叢」 道徳経済合一説
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渋沢栄一「青淵論叢」 道徳経済合一説
2021/02/07 13:29
「日本資本主義の父」と称される渋沢栄一氏による談話集です。
3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、明治から大正にかけて活躍された官僚、実業家、慈善家といった多くの肩書をもつ渋沢栄一氏の作品です。同氏は、合本主義の考えのもと第一国立銀行や東京商法会議所、東京株式取引所を初めとし、500を超える企業や経済団体の設立・経営に関わると共に、同時に、東京養育院等の社会福祉事業、東京慈恵会、済生会等の病院医療、東京商科大学等の実業教育、東京女学館、日本女子大等の女子教育、二松學舍や早稲田大学等の私立学校等の設立、運営、支援等、700を超える社会事業にも尽力された方で、「日本資本主義の父」と称されています。同書は、時勢が緊迫する昭和のはじまりにあって、人生の黄昏を迎えていた筆者は、後世に言い残そうとして同書を執筆されました。「家訓」にはじまり、倫理観、経済観、政治観、人生観など広汎なテーマについて32項目にわたって、幕末維新の経験をふまえ、日本の明日を憂いながら語り尽くした談話集となっています。渋沢栄一氏という人物を深く知る訳者による完全現代語訳です。