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11件
線は、僕を描く
著者 砥上 裕將
「できることが目的じゃないよ。やってみることが目的なんだ」
家族を失い真っ白い悲しみのなかにいた青山霜介は、バイト先の展示会場で面白い老人と出会う。その人こそ水墨画の巨匠・篠田湖山だった。なぜか湖山に気に入られ、霜介は一方的に内弟子にされてしまう。それに反発する湖山の孫娘・千瑛は、一年後「湖山賞」で霜介と勝負すると宣言。まったくの素人の霜介は、困惑しながらも水墨の道へ踏み出すことになる。第59回メフィスト賞受賞作。
線は、僕を描く
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2022/01/30 21:41
優しい涙が流れました
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:映画好き主婦 - この投稿者のレビュー一覧を見る
久しぶりに没頭して読みました。
登場人物みんな優しい。文章が優しい。
主人公が孤独や絶望から水墨画を通して光を見いだす様子が、とても細やかにとても丁寧に描かれていて、、
少しの光を見付けた瞬間、瞬間に涙が出ました。
とても良い作品に出会えました。
線は、僕を描く
2021/12/02 00:57
僕は、線を書く
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:イシカミハサミ - この投稿者のレビュー一覧を見る
生きること。
生きていること。
Live(リブ)でありLive(ライブ)。
作中でも重要な位置を占める揮毫会。
水墨画の神髄は絵そのものよりも、
描かれていく一筆一筆に宿る。
しいて好みでなかった部分を挙げるなら、
主人公も師匠も内面世界が白黒だったような描写になっていること。
白黒で描くからこそ、
水墨画はどの絵画よりも色彩を持つのだと思う。
物も色も豊富な現代にこそ、
明度だけの彩りが映える。
墨を磨る時間の静謐はとても好き。
線は、僕を描く
2023/01/04 22:13
描く
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:6EQUJ5 - この投稿者のレビュー一覧を見る
非常におもしろく読みました。
2023年に読んだ最初の一冊。
若冲や芦雪などで水墨画には親しみがありましたが、本作は水墨画をテーマとした貴重な小説。技法の解説など非常に参考になりました。文章も読みやすく、すばらしいと思います。
しかし、つい最近この「線は~」の存在を知ったのですが、コミカライズされていたり、既に映画化済とのこと。私は「周遅れ」でしょうか。
ということは関係なく、良い本です。未読の方にはぜひオススメします。