- みんなの評価
4件
医療崩壊 真犯人は誰だ
著者 鈴木 亘
「世界に冠たる日本の医療」などと、医療提供体制の充実ぶりを誇っていた我が国が、なぜ、世界的には「さざ波」程度の感染者数増加で、このように簡単に医療崩壊を起こしたのか、その謎に迫る。
7人の容疑者(原因の仮説)を挙げて、一つ一つ謎解き仕立てで話を進める。現在、国民の間では、なぜ、こんなに簡単に医療崩壊が起きたのか、一部の医療機関が頑張る中で、まったく何もしていない医療機関があるのはなぜなのか、医師会や専門家会議はなぜ、緊急事態宣言で経済をストップすることばかり提言するのかなど、医療提供体制への不信感が渦巻いている。まずはそれらへの疑問に答えるのが本書の目的である。
また、今後もしばらくウィズコロナの時代が続くので、パンデミック時の医療崩壊を防ぐためにどんな手立てがあるのか、アフターコロナ時代の平常時の医療をどのように改革すべきかという点も議論、政策提言を行う。
医療崩壊 真犯人は誰だ
ワンステップ購入とは ワンステップ購入とは
この著者・アーティストの他の商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
医療崩壊真犯人は誰だ
2022/01/22 20:15
医療崩壊の犯人捜しから医療体制の改革に
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:雑多な本読み - この投稿者のレビュー一覧を見る
新型コロナウイルスの感染拡大が3年越しとなる。本書の題名が「医療崩壊 真犯人は誰だ」という体裁で、いかにも犯人を捜すことに目的があるように思える。筆者は感染症の専門家ではないので、感染症の解説ではない。
また、感染拡大がウイルス株の変化、ウイルスが大量にコピーされる時のコピーミスでモデルチェンジをしていくことで、絶えず人間の闘い方を変えることが強いられるが、それでも迎え撃つ体制があれば、デルタからオミクロンに移行しても乗り越えられることも示唆する。
順に追っていくと、第1章で世界的に病床数が充実していると言われていた日本で、人口当たりで感染者数が少ないにもかかわらず、医療崩壊を起こした事実に迫る。
第2章から第8章まで、マスコミ等で取り上げられた感染拡大、保健所や医療崩壊の原因分析と犯人捜しがされたことをなぞるように、一つ一つ取り上げていく。マスコミでは、国の責任や民間病院の責任等だと言われたことを記憶している人も多いと思う。その辺りの評価は人によって違ってくると思われるが、表現の仕方をあれこれするより原因分析として見る方が建設的と思われる。
第9章で医療体制改革の好機を逃すなと提起されている。ここがなければ、ただの犯人探しになるが、やはり、この点を注視すべきだろう。
過去、SARS、MERS、新型インフルエンザと海外でのパンデミックがありながら、たまたま日本に流入しなかった、大した影響がなかったことで、日本全体はこの経験を生かすことができなかった。しかし、この問題を正確に捉えており、警鐘が鳴らされいたことは厚生労働省の報告を読めばわかるし、本書でも新型インフルエンザの時に、国や自治体で行動計画を作っていたが、これに基づく準備を怠っていたことを指摘している。
実際に本書でも、行動計画に沿って準備していた自治体があるし、財政的にどう国が支援するかの課題も多いが、取り組めることができるはずである。この感染症に対する危機感が強いこの時期に、次に備えることも含めての提案を多くの人が考える必要があろう。
2024/10/19 17:28
コロナ禍
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:エムチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る
今頃レビュー書いてますが、コロナ禍の終わり頃に友達が「読んでみて」とオススメしてくれた本です。日本のコロナ対応の脆弱さとか、理不尽さがわかるよ、とその友だちの言葉でした。読了し、政策の不備、よくわかりました
医療崩壊真犯人は誰だ
2022/04/29 05:04
医療体制
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:七無齋 - この投稿者のレビュー一覧を見る
問題点を洗い出している姿勢は買うが容疑者とする擬人化はおかしな表現だ。ある程度改善の提案がなされているがそれでも不十分感は舐めない。