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満天inサマラファーム
著者 長谷川 まりる
小学生男子とふしぎな人魚とのふれあいを描いた『かすみ川の人魚』で日本児童文学者協会新人賞を受賞した長谷川まりるの、受賞後第一作!
高校2年の満天は、父のタクさんが経営する自給自足の農場「サマラファーム」で暮らしている。そこはタクさんがすべてを取り仕切る彼の「王国」であり、満天はタクさんの息子でありながら、早朝から畑で農作業をし、ファームが経営するレストランの手伝いをするなど従業員のように働いていた。
手で作らなければ何も得られない生活に嫌気がさした満天の母は、彼が幼いころに、とっくにサマラファームを逃げ出していた。そして、満天もまた、ここを去ることを考えていた。
そんなある日、大学生の瑞雪がサマラファームにやってきた。瑞雪はサマラファームでの暮らしにひるむことなく、タクさんともうまくやっているようだった。しかし……。
父との軋轢と自らのルーツに悩む高校生が、自分の歩む道を探す姿を描く意欲作。
満天inサマラファーム
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満天inサマラファーム
2023/02/18 19:53
『満天inサマラファーム』
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:百書繚乱 - この投稿者のレビュー一覧を見る
“タクさん”(父)の営む農場“サマラファーム”で暮らす高校2年生の満天
自給自足の生活とタクさんの生き方にあこがれて、ファームにはさまざまな人が出入りしている
〈タクさんにあこがれて来る人は大勢いるけど、おれはちがう。たまたまここに生まれちゃって、たまたまここで暮らさなきゃならなかったってだけだ。
だから、いつかは出ていく。〉
あるときやってきたのが肉体労働はできそうもない“ひょろガリ”の大学生 瑞雪(みゆき)
愛想のいい瑞雪に満天は反感を覚えるが……
数奇な星のもとに生まれた高校生が自分の道を探す物語
サマラは楓
満天の境遇を象徴するファームの名前でありタイトルになっている
第59回講談社児童文学新人賞佳作(2018年)を受賞した『お絵かき禁止の国』でデビュー、2作目となる異色の幻想児童文学『かすみ川の人魚』で第55回日本児童文学者協会新人賞(2022年)を受賞した著者の第3作、2022年9月刊
また一人、“名前買い”できる作家が生まれた
満天inサマラファーム
2023/11/18 15:25
結構重い
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:とりまる - この投稿者のレビュー一覧を見る
児童書にしては結構重いなーと思いながら読みました。
高校生の満天は父の経営するオーガニックファームを手伝いながら暮らしていたが、ある時東京から大学生の瑞雪(みゆき)がファームの手伝いとしてやってきて…。
冒頭で父親の事を「タクさん」と呼び、自分の寝る小屋の家賃をそのうち取られるかもという記述で本当の親子じゃないのか?または毒親?と思いました。
タクさんの人物描写が少なくてちょっと想像しづらかった。「人に嫌われる事を酷く気にする」わりに「最初はタクさんを尊敬していた人が辞める時には憎むようになることも」というあたりが矛盾しているようで。酒癖のせいなのだろうか?
牧場経営のレストランが早めに終わるのは仕方ない事なのだというのは初めて知りました。自営だしのんびりやっているように勝手に思っていましたが、内情は外側で見ているより大変なのだなと。
満天が瑞雪が黙っていた事についてえらく怒っていましたが、そんなに怒ること?とぴんとこなかったです。
最後の展開はちょっとドラマになりそう。満天ひとりなら受け止めきれなかったかもしれませんね。
全体的に面白かったのですが、もう少し色々詳しい描写があるともっとよかったのになと感じた物語でした。