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3件
普通という異常 健常発達という病
著者 兼本 浩祐
ADHDやASDを病いと呼ぶのなら、「普通」も同じように病いだーー
「色、金、名誉」にこだわり、周囲の承認に疲れてしまった人たち。
「いいね」によって、一つの「私」に束ねられる現代、極端な「普通」がもたらす「しんどさ」から抜け出すためのヒント
●「自分がどうしたいか」よりも「他人がどう見ているか気になって仕方がない」
●「いじわるコミュニケーション」という承認欲求
●流行へのとらわれ
●対人希求性が過多になる「しんどさ」
●本音と建て前のやり取り
●社会のスタンダードから外れていないか不安
●ドーパミン移行過剰症としての健常発達
●親の「いいね」という魔法
「病」が、ある特性について、自分ないしは身近な他人が苦しむことを前提とした場合、ADHDやASDが病い的になることがあるのは間違いないでしょう。一方で、定型発達の特性を持つ人も負けず劣らず病い的になることがあるのではないか、この本で取り扱いたいのは、こういう疑問です。たとえば定型発達の特性が過剰な人が、「相手が自分をどうみているのかが気になって仕方がない」「自分は普通ではなくなったのではないか」という不安から矢も楯もたまらなくなってしまう場合、そうした定型発達の人の特性も病といってもいいのではないか、ということです。――「はじめに」より
普通という異常 健常発達という病
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普通という異常 健常発達という病
2023/04/25 09:33
精神科医で詩人の著者
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:とらとら - この投稿者のレビュー一覧を見る
ADHDなどは病気とは必ずしも言えず、いわゆる通常の健常者との境はあいまいで、通常であることを逆に病気と見立てるようなパロディ的な診断もできるとのこと。哲学者や詩人の文章、臨床的な事例も含めて興味深い話が展開されていると思いました。ちょっとわかりにくところもあって、もう少し詰めたり展開してみてくれるともっとおもしろくなるような気がしました。
普通という異常 健常発達という病
2023/08/18 19:56
健常発達という病の考え方。
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:おじゃもんくん - この投稿者のレビュー一覧を見る
医学関係の、精神病理学・神経心理学が専門の方の一冊。
あと、臨床てんかん学も専門ですね。
「ADHD」や「ASD(自閉スペクトラム病)」という診断名に。
少し違和感を、筆者は持たれていて。
「健常(普通)」と言われている人でも、「ADHD」や「ASD」の部分があり。
それぞれ誰でも持っているので、普通と呼ばれる人も「健常発達」と言う「病」と考えて本書は進んで行く。
「ADHD症」と「ASD症」と「健常発達症」の、発達における部分を考えて。
普通と呼ばれる多数の人の、人としての社会との関わりや発達について考察されている。
それによると、「健常発達」の人々は人からの「いいね」が無いと健全に発達出来ず。
子供時代の、親からの「いいね」。
コミュニケーション内での「いいね」。
人は、「色、金、名誉」で生きて行く事。
他人に対する「いじめ」と言う意地悪コミュニケーション。
お話しは、子供時代から大人に向かって行くが。
「ディズニーランド」や「エヴアンゲリオン」「マリリン・モンロー」あたりは分かるのだが。
ポップアートの方々や、専門家の話しになると。
なかなか、ついて行けませんでしたね。
それぞれの方を知っているのが、前提で話しが進むのでチトしんどい部分もありました。
なかなか、別次元の考え方の一冊でしたね。
普通という異常 健常発達という病
2023/02/23 11:42
人間という症状
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:とめ - この投稿者のレビュー一覧を見る
生活臨床での「色、金、名誉」、「あざとい」や「いいね」、デカルト的コギタチオといったある種精神医学の専門用語を用いて、健常発達という病を解説しているが、結構難しかった。