- みんなの評価
3件
日本の歪み
この社会の
居心地の悪さは
どこからきたのか?
明治維新と敗戦、憲法、天皇、
経済停滞、少子化、巨大地震…
「考えたくなかった」
戦後日本の論点を徹底討論!
<本書の内容>
右も左も、いまだに外圧頼り。
内発的に自分たちの価値を肯定し、守るということができていない(東)
天皇が生物学を勉強したのは、正気を保つためにやっていたんでしょう(養老)
日本人は戦争による被害も、人災ではなく天災のように捉えてしまう(茂木)
「シビリアン・コントロール」なんて、
自分の国の言葉にもできないようなものが身につくはずがない(養老)
戦後、この国は、人の心を安定させるものを、かなり潰してしまった。
新興宗教が強いのも、コミュニティの貧しさと関係している(東)
「九条」に限らず、日本は整合性をつけることへの欲望がない(茂木)
日本経済が30年も停滞している理由は、
もう作らなくていい、壊さなくていい、という暗黙の民意なんじゃないか(養老)
被害の記憶を伝えたいなら、震災の日だけでも実際の津波の映像を流したほうがいい(東)
日本の歪み
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日本の歪み
2023/09/30 20:30
「道徳の授業で必ず教わるのも「みんなで考えましょう」ということです。どうやってみんなで考えるんだ、と思いますが。」(178~9頁、養老)
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Haserumio - この投稿者のレビュー一覧を見る
三者三様の着眼と語り口で読ませる対談集。自然体の養老に、シャープで深い東、多分にボケ役(?)の茂木というキャラ立ちも面白かった(私見)。一方で、「歪み」ということそのものについての定義というか分析がないので、いささかまとまりのない真面目な雑談に終った印象もある。養老氏が各所で、今後想定される大災害に日本再生の希望を見い出している点(氏いわく「地震待ち」(239頁))には、不遜ながら同感した。なお、読みごたえがあったのは第四章(死者を悼む)と第五章(憲法)。誤解をおそれずに云えば、あとは枝葉であった。
「日本語には「AはBである」とだけ淡々と書く言葉の形がないんですよ。」(138頁、東)
「英語だったら高校生でも大統領でも「I」で済むのに、日本の高校生は「私」なのか「僕」なのかでなやまないといけない。言語が高校生のスピーチのあり方自体を規定してしまっているということです。」(142~3頁、東)
「むしろ全てYouで済ませる英語が特別シンプルだから、リンガ・フランカ(国際共通語)になり得たんですね。」(144頁、茂木)
「同時にインターネットがつなぐフラットな世界から見ると、過剰な歴史は余計なことです。GAFAなどのプラットフォーマーにとって、歴史はあまり関係ない。」(210頁、茂木、歴史過剰と未来志向の相反性)
読後の感想を一言で云えば、日本人一般における「実感信仰」の不死身の強靭さということ。近代主義者として批判するむきも多いが、やはり丸山眞男がかつて縷々述べた諸点はいまだ妥当していることを改めて確信した。
日本の歪み
2023/11/23 11:11
良質な大人の議論が楽しめる
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ひろとこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
日本の戦後の歴史を振り返りながら、現代の日本の問題点を3人の論客が熱く語っている。経験や知識に裏付けされ、お互いの立場を尊重する良識的な議論が楽しめる。現代の日本に閉塞感を感じている方は一読をお勧めする。個人的には東浩紀の視点が特に鋭く面白いと感じた。
2025/02/07 12:38
わかりやすい
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:なつめ - この投稿者のレビュー一覧を見る
現代日本の問題点について、わかりやすく解説されていてよかったです。幅広い分野で、歪みが指摘されていて、興味深く読むことができました。