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8件
なれのはて
著者 加藤 シゲアキ
一枚の不思議な「絵」の謎を追い、令和から昭和、大正へ。
日本最後の空襲といわれる秋田・土崎空襲。
戦争が引き起こした家族の亀裂は、現代を生きる人びとにも影を落としていた。
ある事件をきっかけに報道局からイベント事業部に異動することになったテレビ局員・守谷京斗(もりや・きょうと)は、異動先で出会った吾妻李久美(あづま・りくみ)から、祖母に譲り受けた作者不明の不思議な絵を使って「たった一枚の展覧会」を企画したいと相談を受ける。しかし、絵の裏には「ISAMU INOMATA」と署名があるだけで画家の素性は一切わからない。二人が謎の画家の正体を探り始めると、秋田のある一族が、暗い水の中に沈めた業に繋がっていた。
1945年8月15日未明の秋田・土崎空襲。
芸術が招いた、意図しない悲劇。
暴走した正義と、取り返しのつかない後悔。
長年秘められてきた真実は、一枚の「絵」のミステリから始まっていた。
戦争、家族、仕事、芸術……すべてを詰め込んだ作家・加藤シゲアキ「第二章」のスタートを彩る集大成的作品。
「死んだら、なにかの熱になれる。すべての生き物のなれのはてだ」
なれのはて
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2024/07/14 20:21
一回読んでもわからない深さ
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:りさ - この投稿者のレビュー一覧を見る
一度通して読んでみると「ん??」となって終わるのだが、二度三度読んでいくにつれてどんどん物語が深くなっていく。
戦争や石油によって狂わされた人生とは。
なれのはて
2024/01/17 08:22
第二章
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:くみみ - この投稿者のレビュー一覧を見る
一枚の絵から見る、戦前から今に至る時代の移ろいを描いたバイタリティ溢れる作品。
日本最後の空襲の地・秋田県のある一族の歴史を通し、感情や物質が生み出す光と闇を両面から丹念に掬いあげているのが印象的だった。土地を感じる描写も多く、訛りの説明をいれるか否かと、そのタイミングにも巧妙さを感じた。
著者に対するバイアスが少しある所為か、「正しさとは」の問いに昨今の芸能界の問題も透けて見えた気がして、非常に興味深かった。
加藤シゲアキ「第二章」は、今まで以上に目には見えないものに焦点を当てていくのだろうという期待が膨らんだ。
2025/04/19 06:59
ストーリー展開が魅力的
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:あびしぃにゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
時と場所が行きつ戻りつ進む展開に引き込まれて、一気に読み終えました。最近の事件を思い起こさせるようなエピソードもあり、ドラマ化されるのではと思いました。又吉さんの「花火」は関西弁に目と頭がついて行かず挫折しましたが、秋田弁はすっと読めてしまったのは自分のルーツが東北のせい!?