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都会のトム&ソーヤ
創也(頭脳明晰)×内人(平平凡凡?)。謎の天才ゲームクリエイターをさがすふたりの行く手には、多くの危険が待っていた。知恵と工夫の新・冒険記が、いま、はじまる! クラスメイトの創也の秘密を、偶然知ったぼく、内人。その日から、塾通いに追われる退屈な生活が、がらりとかわった。創也といると、冒険がむこうからやってくるんだ。――中学生コンビが活躍する、はやみねかおるの新シリーズ。
都会のトム&ソーヤ 21 神々のゲーム
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都会のトム&ソーヤ 1
2012/02/02 20:27
たとえミシシッピ川が無くても
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ト―チ - この投稿者のレビュー一覧を見る
主人公の片割れ、内藤内人はごく普通の中学生だ。普通に学校に通い、普通に友達と話を合わせ、普通に塾に通う少年。
そんな平凡な中学二年生の春、夜の街で同級生、竜王創也を見かけたときから、彼の冒険は始まっていく――
読者が読み進めていくにつれ、最初に度肝を抜かれるのは「砦」での攻防だろう。
創也の秘密を知りたがる内人を試そうと、彼は内人を「砦」へ誘う。なんと彼は名だたる企業の御曹司で、企業の使わなくなった廃ビル――「砦」を使用しているそうだ。
中学生がこんなものを持っていることも驚きだが、そこでさらに内人が彼の試験をくぐりぬけるためとはいえ、サバイバル技術を駆使して牛乳パックの松明なんぞをパパッと作ってしまうのである。マッチもライターも無いのに火をつけてしまうその手際の良さに、平凡な中学生だと信じて疑わなかった我々はただただ唖然とするしかない。冒頭部分からの内人の言動や行動は、本人の言うとおりの「ごく平凡な中学生」そのものだったのだから驚きもひとしおだ。
こうしてはれて創也のお眼鏡にかない、「砦」に通うようになった内人は創也とともに様々な冒険をする――
物語は、一貫して内人の一人称で語られる。
創也曰く「最強のサバイバル技術」を持つ内人だが、感覚はいたって平凡な中学二年生、毎度毎度冒険に引っ張り出してくる正真正銘のおぼっちゃま、創也の行動やら行く手に待ち受ける障害やら彼らを取り囲む奇想天外な面々に、時に驚き、時にあきれ、時に愕然とし、時にパニックになる。そんな日常的な観点を持つ内人が語る冒険だからこそ、彼とともに笑い、焦り、驚き、次第に彼らとともに冒険にのめり込んでいってしまうのだ。
彼らを取り囲む面々も面白い。創也を護衛する最強のお守、二階堂卓也。内人の方思いの相手、堀越美晴とその父、堀越ディレクター。そして創也が「夢」のために追う謎の人物、栗井栄太――主人公の内人と創也に負けず劣らず個性的な面々の集う中、猪突猛進に進む創也に引きずられるようにして内人は彼らと待見えていく。
夢を純粋に追いかける創也と、しっかりと夢を持つ創也を羨み、協力する内人の二人の会話も面白い。基本的に常識の抜けている創也を内人が全力で押しとどめようとするその光景に、我々は笑いをこらえきれない。余談だが、私が初めて友人に「トーチって、本を読む時百面相するんだね」と言われたのはこの本だったりする。
――ミシシッピ川が無かったから、トム・ソーヤになれなかった。ぼくは、そう思っていた――
本文の前に作者が書きだした、この文から始まるコメント。
特別な場所でなくても、特別なことが無くとも、いつでも冒険は始められる。心からわくわくする「なにか」に合うことが出来る。この本は、正にそのことを教えてくれる。
退屈な日常に飽きたなら、あたりを見渡してみればいい。冒険とは、自分から進んでいくものなのだ。
都会のトム&ソーヤ 2 乱!RUN!ラン!
2004/08/23 23:22
こんな冒険を待っていた!!
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:B−MAKER - この投稿者のレビュー一覧を見る
文句なしに「おもしろい!」と感じさせてくれた本です。
前作に引き続き、自称“ふつうの中学生”の内人が見せてくれる、おばあちゃん直伝のサバイバル技能(笑)の数々、最高のゲームクリエイターをめざす創也の非日常的な知識…。
2人のコンビネーション、絶妙なテンポの会話がとても良いです。
「だいじょうぶ。ぼくには、どんな非常事態でも口笛を吹いて切り抜ける、ドラえもんのような友だちがいるからね。」(創也)
そんなこんな、日常から一歩踏みこんだところで起こる冒険は、いつでも魅力的です。
こんな冒険がしてみたいなあ…と、ついつい路地裏や用水路の奥、鍵のかかっていない屋上などに目がいってしまう今日この頃。
納得できないことに押しつぶされてしまったり、どうにもならないことがあっても、すこし頭を働かせて、ほんの少し勇気を出せば、先へ進む道は必ず見つかる!
そんなことを、おしえてもらったような気がします。
都会のトム&ソーヤ 19 19BOX〜日常〜
2022/03/19 20:25
『都会のトム&ソーヤ19 19BOX〜日常〜』
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:百書繚乱 - この投稿者のレビュー一覧を見る
“砦”の入口にあったガラクタを組み立ててできたジュークボックス
100円玉を入れるたびに人物のストーリーが再生される
〈物語はフィクションか、ノンフィクションか〉
テーマパークに仕掛けられた重大な謎
ウォーレン・ライトの挑戦、『頭脳集団』の陰謀……内人が走り、創也が考える
究極のゲームづくりをめざす創也とサバイバルの知恵を持つ内人が活躍するはやみねかおるの大人気シリーズの本編最新作第19巻、2022年3月刊
“黒はやみね”色が出た初稿を改稿
「機巧館」のテイストがなつかしい
『バイバイ スクール』の登場人物や「る」のしりとりなど、いつもながらの小ネタも散りばめられて、子どもからかつて子どもだった大人まで楽しめるエンタテインメント
副題の「19BOX」(ジュークボックス)は「19」巻からの連想とのこと