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5件
重耳
著者 宮城谷昌光
黄土高原の小国曲沃(きょくよく)の君主は、器宇壮大で、野心的な称(しょう)であった。周王室が弱体化し、東方に斉が、南方に楚が力を伸ばし、天下の経営が変化する中で、したたかな称は本国翼(よく)を滅ぼして、晋を統一したが……。広漠たる大地にくり広げられる激しい戦闘、消長する幾多の国々。躍動感溢れる長編歴史小説全3巻。
重耳(下)
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重耳 上
2005/07/13 08:53
名君重耳の生涯
10人中、10人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ピエロ - この投稿者のレビュー一覧を見る
古代中国、春秋時代、晋国の王の子として生まれながら後継者争いの陰謀に巻き込まれ若くして国を出奔、以来各国を放浪、苦難の旅を繰り返し62歳のときに帰還、春秋時代を代表する賢王の一人に数えられる晋の文公 重耳(ちょうじ)の生涯を描いた長編歴史小説。
文庫では上中下3巻で、上では幼少期から青年期までの成長を、中では王の子として国政に参加しての活躍と国からの出奔を、下では旅の苦難と帰還、中国全土の覇者となるまでが、多くの登場人物と当時の国の情勢を交えて語られていきます。
大きな成功には苦労が必要、苦労は報われるといった教訓めいた、道徳の教科書にでもでてきそうな成功譚という感じがしないでもないですが、重耳をはじめその周りに集まる人々はとても魅力的に、仇役はいかにも憎々しげに活き活きと描かれています。質・量ともに読み応え十分な歴史小説、遥かなる古代中国に思いを馳せ、重耳とともに一喜一憂、楽しみましょう。
重耳 上
2023/04/15 19:55
古代中国歴史小説で旅をする
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:トマト - この投稿者のレビュー一覧を見る
(上中下巻)
主人公の重耳が国を追われ忠臣と共に流浪の旅に出る話ですが、先日も新聞にこれを読まれた方が感銘を受けたと読書感想が載っていました。
兄を殺され、わが身にも危険が迫る中必死の逃亡。無実にもかかわらずに讒言により国を出る羽目に陥る。行く先々で陰謀や助言、援助など様々な出来事に遭いながらも、家臣に励まされながら「いつか自国に帰る」ことを夢見てひたすら歩む。
本来は恵まれた立場の存在のはずが思わぬ罠にはまり、窮地に陥る主人公。
現代でも、努力し真面目に生きてきても、報われず誤解されるときがある。それでも、この主人公のように希望を抱きつつ耐える姿に自分をだぶらせるのも、一種の希望になると思いました。
重耳 下
2020/05/30 05:28
名君
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:七無齋 - この投稿者のレビュー一覧を見る
君主に晴れて成れた重耳。放浪での約束事も果たし名君となった。数々のエピソードも宮城谷氏の手にかかり生き生きとして描かれている。