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56件
妖怪アパートの幽雅な日常
著者 香月日輪
共同浴場は地下洞窟にこんこんと湧く温泉、とてつもなくうまいご飯を作ってくれる「手首だけの」賄いさん――13歳で両親を失った俺が高校進学と同時に入居したのは人呼んで“妖怪アパート”! 次々と目の当たりにする非日常を前に、俺の今までの常識と知識は砕け散る。
妖怪アパートの幽雅な日常10
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妖怪アパートの幽雅な日常 1
2010/04/01 00:43
三巻まで買ったのですが、二巻で読むのを止めました
53人中、13人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:foxtail - この投稿者のレビュー一覧を見る
以下の理由から、途中で終わりにしました。
1.作者自身「良いおっぱいと悪いおっぱいの同一」ができてない。
小説家が「自分が克服できていない精神面での成長課題」をテーマに据えて作品を書くことは多々ある。
が、コレは???
(この話はあえて略します、興味のあるかたは精神分析の本を)
2.作者は登場人物を愛していない(主要な者には思い入れはあるが)。
私は伊坂幸太郎作品を読まないようにしているのだが、その理由は
「絶対悪と言うべき人物が登場する、彼らは必ずその罪の報いを受けるのだが…それまでの行為が見ていられない」から。
伊坂氏は、そんな人物たちでも『好きだ』と語るのを、何かで読んだ記憶がある。
同様のことを多くの作家さんが言っている「できあがったモノは我が子のように可愛い」と。
作者にはそこが欠けているようだ。
そのため、ただ倒され排除されるだけの人物が登場する、まるでゲームの雑魚キャラのように。
3.様々な料理が出てくるが読んでいて「よだれが出る」ことがない。
これは重要ではないが、気になったので…
作中『つみれ団子が美味い』とあっても、どんな薬味を入れたとか味噌などの隠し味の使い方が出てこない。
入れ替わりメンバーに「うまーい」「おいしい」と言わせ、ご飯をお代わりをするだけ。
(食した主人公が知らなくても他の人物に蘊蓄を語らせることは可能なのだが)
当初は語彙が少ないのかと思ったがそうではなく、作者はいわゆる食通ではないのだろう。
実際に食べていないから、香りや喉ごしなどの食感も十分に描かれていないのだ。
ならいっそ、料理名だけ並べるのは止めてみては? とすら思う。
おそらく子供時代「母との関係」「愛情・信頼不足」「豊かでない食生活」など問題があったのだろう。
ただ才能はある人のようなので作者自身が円熟した頃、また読ませて貰いたい。
妖怪アパートの幽雅な日常 1
2013/08/28 23:21
面白いだけじゃない。続き楽しみです
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:こと - この投稿者のレビュー一覧を見る
存在のしかたから違うもの同士が一緒に生活するということは、まずお互いを拒絶せず受け入れ、助け合うことから始まる訳で、個性的な登場人物たちが和気藹々と生活しているところに「本当に豊かな生活」ってこういうのかなと思ったり。
でもその一方で他人を受け入れようともしないものは離れて行き、本人が何とかしようとしなければどうしようもない。そんなシビアな場面では、思わず自分を反省したりしました。
物語は主人公、夕士の視点で進むため読みやすく、高校生活もリアルで感情移入し易いです。ちょっとしたはずみで、非日常的なものが入ってきて物語を深く、面白くしてくれています。いろんな体験をして少しずつ、でもあっという間に成長していく夕士クンが羨ましかったりします。
この本と出会ったことで私も少しは柔軟性があり、しなやかな人間に変わっていたら良いなぁ(笑)
2021/09/05 13:31
読後感がとても良かったです
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:なのはな - この投稿者のレビュー一覧を見る
妖怪アパートの描写がとても気持ち良かったです。ストーリーとしては、高校生になったらお世話になっている家を飛び出したいと思った主人公が、ひょんなことから妖怪がウヨウヨいるアパートに住むことになる話なのですが、アパートでのたくさんの個性的な妖怪たちとの交流を通して、主人公の夕士が大きく成長する様子を描いた小説といっていいでしょう。夕士の心の動きがよく分かり、戸惑いながらも妖怪たちと暮らすことが自然なことになる過程がとても丁寧に描かれていたと思います。長編シリーズ化している作品ですが、まずは1巻、とても読後感が良かったです。