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中国の歴史
講談社創業100周年企画として2004年~05年に出版された全集「中国の歴史・全12巻」の学術文庫版が、いよいよ刊行開始。本全集は、2014年には中国で、2016年からは台湾で翻訳出版され、そのレベルの高さと視点の新しさから累計で150万部を超えるベストセラーになっている。
待望の文庫化、第1回配本は、第1巻と第2巻の同時配本。第1巻では、長年、中国での遺跡発掘を手掛けてきた著者が、「三皇五帝」や「盤古伝説」などで知られる中国の神話の表す史実を探り、「夏王朝」「殷王朝」の謎に迫る。
中国の古代文明といえば、かつては「黄河文明」を指したが、現在では、長江流域をはじめ、各地の多様な自然環境から展開した多元的な古代文明と理解されている。現在の中国のさまざまな地域社会や風土を考える際にも、こうした先史時代から続く地域文化の脈絡を無視できないのである。約1万年前の新石器時代、南北の文化地帯の周縁でアワ・キビ農耕や稲作農耕が生まれ、そこから牧畜型農耕社会と遊牧社会が分離し、さらにその周辺には狩猟採集民が存在した。こうした基本的生活様式が誕生した中から、いかにして初期国家が生まれたのか。最古の王朝とされる夏王朝と二里頭文化の関係とは――。
文庫化にあたり、原本刊行後の重要な遺跡と発掘成果を大幅に加筆。〔原本:2005年、講談社刊〕
中国の歴史12 日本にとって中国とは何か
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中国の歴史 8 疾駆する草原の征服者
2021/04/24 19:00
「あとがき」がない
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:健 - この投稿者のレビュー一覧を見る
かつてハードカバーで出たシリーズの文庫化。内容については他の評者が書いているとおりだが、この文庫版には「あとがき」がないのが気になる。杉山先生は90年代に驚異的なペースで概説書を出しておられたが、2000年代になってから落ち、最近では近刊も見かけなくなった。杉山先生にはラシード『集史』や、耶律楚材やマルコポーロについての著作など、予告しながらもまだ世に出ていないものもたくさんある。ファンとしては、そういったものも是非期待したいところ。
中国の歴史 6 絢爛たる世界帝国
2021/02/06 14:26
隋の後を継いだ唐の時代の政治・文化を徹底的に解説してくれる一冊です!
4人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、2021年2月現在、講談社学術文庫から8巻シリーズで刊行されている「中国の歴史」の第6巻目です。同書は、『府兵制の研究―府兵兵士とその社会』、『則天武后』、『中国仏教石経の研究―房山雲居寺石経を中心に』、『遣隋使がみた風景―東アジアからの新視点』などの著作で知られる氣賀澤保規氏によるものです。同書では、短命に終わった隋王朝の後をうけた唐王朝が、唐詩の李白・杜甫、書の顔真卿らを輩出し、文化面でも世界最高の文明を誇ったのですが、8世紀半ばの安史の乱を境に衰退し、907年、朱全忠により滅ぼされるという話が中心に展開されます。中国史上唯一の女帝・則天武后、日本人僧、円仁の見た光景、ウイグル・チベットなど周辺諸国の動向もまじえた、世界帝国に生きた人々が鮮やかに描かれた作品です!
2021/11/20 22:03
中華人民共和国史
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:福原京だるま - この投稿者のレビュー一覧を見る
大躍進や文化大革命、天安門事件の裏で中共の指導部が行った権力闘争について詳しく書かれていて勉強になった。習近平体制が専制を強める中、文革や天安門事件の実像を明らかにすることは非常に大事だと感じる。