明日が世界の終わりでも
御厨玲治は僕の恋人だ。僕の知っている男の中で一番綺麗で、一番頭がよくて、一番謎めいている。僕は玲に可愛がられ、なにもかもを与えられている……
たったひとつのものを除いて。そのたったひとつのものが、僕は欲しくてたまらない。僕は玲が好きで好きでたまらないのに、抱いてもらえない。全身で好きだと伝えたいのに、玲はそれを拒絶する。どうしてだろう……?大切な人の幸せを祈る愛の物語が、ここに──!『明日が世界の終わりでも』『largo』に書き下ろし『witness』を同時収録。 ※本作は分冊版1です。合冊版も同時配信しております。
明日が世界の終わりでも【分冊版3】~『witness』
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明日が世界の終わりでも
2023/05/07 08:48
「聴く」と「視る」の話
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:やじやじ - この投稿者のレビュー一覧を見る
ネタバレあり
「largo」とタイトルの「明日が世界の終わりでも」シリーズに
書下ろし「witness」という構成
「largo」は音大生の話
年齢相応のきらきらしたところと切ないところが
音楽とともに描かれている。
ピアノの音色が聴こえてきそうな話
愛されて育ってないタラちゃん(設楽六実)は
頑なで開かない花のよう。
そして関西弁でぐいぐいくる天性の才を振りまく凛は
抜いても抜いても生えてくる花草のよう。
そんな二人が出会って、
愛することも愛されることも知らなかった頑ななつぼみが
ほんわりと開き、奔放な花草がわさわさとその花を囲んで花束になるような
きらきらとした話でした。
前原さん良い仕事したねぇって書いておこう
「明日が世界の終わりでも」はかなり痛い。
病んでいるって言っても良い。
愛する人を抱かない玲と恋人の望の話
玲の愛し方は病んでいる、でも愛してはいるのだ。
その愛を理解しきれず(いやしろと言うのが無理筋だけど)
約束を破る
その結果の玲の行動がすごい。
(エキセントリックすぎてかなりびびる)
痛々しすぎる二人の形にキリキリとこちらを抉ってきます。
「約束」は玲の親友で望を抱いたこともある城下の話
純な中学生教師である悠一にがっつり嵌まってしまう話
約束を破ったことによりばっさり悠一に切られてしまうのだ。
「集い」は城下と別れた悠一と玲が出会い、
そしてそれぞれの相手の元へ
ここまでくると穏やかな気分になるのだが。
「witness」はその後、出会って40年経っていて
それでも玲と望(定年間際とか!)は一緒にいるし、
城下と悠一(教頭とか!)も一緒にいる世界
望の従兄はゲスな奴だけど、
彼らがずっと一緒にいることが出来てなんだか嬉しい。
「明日~」は読む人を選ぶ作品だけれど、
個人的には病んでいて痛くてそして甘い話で好きです。
「largo」は「聴く」話で
「明日が世界の終わりでも」は「視る」話でした
2023/09/19 19:59
約束は、絆
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:M★ - この投稿者のレビュー一覧を見る
購入して、暫く積読していた本。
二つに分かれる構成。
恋をする人達の沁みる物語。
「ラルゴ」は、音大生の恋人同士。明るくコミカル。
「明日が・・」シリーズは、やってしまったことを後悔する、重めの純愛物語。
題名は、望の玲治宛てに出した手紙の約束の一文
榎田先生は、トラウマ持ちの心理描写が上手いと思う。
行き詰った時に読むと示唆を得られるのではないか、と思える内容だった。
信じあう心が絆を繋ぐ。