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5件
エンジェル・ハウリング
白く美しい指先に一瞬だけ力が込められる。ただそれだけ。それだけでその男のあごは音を立てて、あっさりと外れる。痛みにのたうち回る男をその真紅の髪の美女は、炎のような赤い瞳で冷たく見つめていた…。絶対殺人武器―イムァシアの刀鍛冶たちにより最強の暗殺者として育てられたミズー・ビアンカは辺境の街にいた。目的はとある退役騎士の情報を得ること。彼は“精霊アマワ”の手掛りを持つ唯一の男なのだ。世界の滅亡の鍵を握る“精霊アマワ”。その強大な力と、それを巡る陰謀にミズーはたった一人で闘いを挑む!触れれば切れるほど研ぎ澄まされた、冷厳なる幻想世界が君を待つ!秋田禎信入魂の新シリーズいよいよスタート。
エンジェル・ハウリング10 愛の言葉-from the aspect of FURIU
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エンジェル・ハウリング 6 最強証明−from the aspect of FURIU
2002/12/11 17:00
面白いのはここからだ!
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:A-1 - この投稿者のレビュー一覧を見る
ファンタジーの世界にぽいと放り込まれたい。そんなあなたにぴったりなのはこのシリーズ! 一心不乱に読み進めば、頭の先までどっぷりとこの世界にトリップ出来る。
これが可能なのも、ストイックなまでに現実を排除しながらファンタジー世界らしい現実を再構築するという、本格的かつ卓越した文章技術と、作者本人のオマージュにも近しいこだわりがあるからだ。
作者は最近復刊になった「ドラゴンランス」シリーズを愛読していたことを自称してもいる。
プレス記事よれば、その出合は初見にして最高のファンタジー世界へのファーストコンタクトだったとか。
さて、表紙の題名を見て欲しい。「from the aspect of FURIU」と書かれ、少しややこしいことに、ザッピングという方法でこの本は出版されている。
奇数巻はミズー・ビアンカ、つまり表紙の赤い巻き毛の娘の視点で話は進行されている。
偶数巻はフリウ・ハリスコー、同じく表紙のショートカットのハニーブラウン髪の少女を中心に物語は進行されていっている。
それぞれは、ほとんど同じ時期に周りの状況が彼女たちを放っておかず、今はただ闇雲に急きたてているようだ。
それぞれの理由で困難に立ち向かっていく彼女らの運命は、まだ交錯しきってはいない。
しかし、彼女らは全くの無関係ではない。
キーワードは、謎の精霊アマワと元打撃騎士ベスポルト・シックルド、そして8年前。炎と大火。精霊と破壊。アスラナカン。帝都。念糸。契約。
謎が謎を呼び行き着く果ては?
だいぶこの巻で謎が解けてきてわくわく感が増したような気がします。
個人的には硝化の森の精霊スィリーの謎会話気味なのがお気に入りなのですが(そのスペクタクルで一冊書いて貰いたいくらいに(本気))作中、ほとんど誰にも相手して貰ってないのが哀しい感じだけど…仕方ないかな…。
前に彼が主人公で増刊で読み切りやってたぶんは何時集録してくれるんでしょうか?(聞くとこ違う)
同じく相手をして貰えない呟きアイネストもお気に入りだったんだけど、ミズーにケンツク食らわされてジュディアが変わりに出てきました…ちょっぴりがっかりなのだ。
ぐちゃぐちゃ悩みながらもフリウをしっかり守ろうとするサリオンも好きなのー(イットケ)。
個人的にファンタジーは体質に合わない確率が多い中、彼の作品が本領を発揮するのは巻数を重ねてからだという古参ファンの意見を信じて読み続け、ついい面白くなってきましたよー!
この世界観に身を任せることが出来れば、まるでバーチャル空間にダイブインするかのような心地を味わえます。
ただし、途中下車等のダイブ酔いにはご注意の程。
エンジェル・ハウリング 1 獅子序章−from the aspect of MIZU
2002/02/24 02:49
聖霊
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:エリック@ - この投稿者のレビュー一覧を見る
富士見ファンタジアから放つ、秋田禎信の3シリーズ目。
魔術師オーフェンと同じく剣も魔法(聖霊)も出てくる作品だが、どちらかというと、この「エンジェル…」の方が読みやすいかもしれない。物語の展開が早いといえば早いのだが、分かりやすい情景描写なので、急ぎ足で読んでも内容が読み取れる。
主人公は今回の表紙にもあるビアンカであるが、もう一人フリウという少女をも主人公に据えている。つまり、二人の主人公がいるという物語になっており、互いに互いのサイドストーリーのような構成になっている。1巻はミズー、2巻はフリウ…という形で交互に視点が入れ替わる様である。
主人公それぞれの年齢や生い立ちなど設定がまるで違う二人であるので、一つの世界観で二つの物語を同時に味わえるような作品になっているのが面白い。どちらも根底にファンタジーを感じさせることも魅力を増加させているといえる。他の秋田作品を好んで読む人も、今まで読んだことのない人も、恐らく楽しんで読んでいけるのではないだろうか。
作品としての難を挙げるとすれば、本作品は「オーフェン」に比べて、読みやすい反面、先々が読めてくる感じがあるので、どちらかというとお定まりな印象を受ける。まだ、序章なので今後どちらに転んでいくのかは、結果を見ないとわからないのだが、読者の想像を超越する世界をこれから見せていって欲しい。それを期待させるだけの著者ではあると思う。
エンジェル・ハウリング 1 獅子序章−from the aspect of MIZU
2001/08/19 00:28
実力派
2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:風 - この投稿者のレビュー一覧を見る
富士見ファンタジア文庫では御馴染み秋田氏の作品である。ファンタジーは流石に彼の土俵といった感じで描写なども活き活きとしている。これは四巻完結で続編が気になるところ。ジュニア小説の中ではかなり上位に位置する作家なのでその作品もまずまずのものがある。
緊迫した展開、的確な戦闘描写。どれもこじんまりと仕上がっている。悪くは無いがあくまでジュニアのレベルであるという事をご考慮に。