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魔法科高校の劣等生
著者 佐島勤(著者) , 石田可奈(イラスト)
魔法が現実の技術となって、一世紀 ──。 新入生の季節。この 『魔法科高校』 にも、一組の血の繋がった兄妹が入学した。 兄は、ある欠陥を抱える劣等生(ウィード)。 妹は、全てが完全無欠な優等生(ブルーム)。 どこか達観したような面持ちを見せる劣等生の兄と、彼に肉親以上の想いを抱える優等生の妹。二人がこのエリート校の門をくぐったときから、平穏だった学びの園で、波乱の日々が幕開いた。
魔法科高校の劣等生 Appendix(2)
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魔法科高校の劣等生 1 入学編 上
2011/12/21 13:33
既存の枠をはみ出す
12人中、9人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:くまくま - この投稿者のレビュー一覧を見る
魔法とは現象であり、それを制御する技術である。フェルミオンでもボソンでもない、意思や思考を形にする想子(サイオン)と、意志や思考を産み出す情動を形作る霊子(プシオン)のうち、サイオンを制御する事で現代魔法は成される。そのプロセスを助けるのが、CADと呼ばれる魔法発動デバイスだ。
しかし一方で、魔法は才能でもある。全ての者が同じ様に魔法を使える訳ではない。ゆえに、資源配分は当然、優秀な者に集中されることになる。そしてそれは、魔法を使える者と使えない者の間だけではなく、使える者同士でも適用されるルールだ。
司馬達也は妹の深雪と共に、国立魔法大学付属第一高校に入学した。しかし彼は、学科はトップだったが実技の評価が低く、深雪は花冠(ブルーム)と呼ばれる一科なのに、達也は雑草(ウィード)と呼ばれる二科の生徒だ。二科とは、一科の補欠であり、専任の指導者がつくこともない。
一応平等は謳っているものの、実態がこれなので、当然のことながら、一科の生徒は二科の生徒を見下す。しかしそれに、兄の実力を高く評価する深雪は納得がいかない。そのことからトラブルが発生するのだが、それは彼らを、生徒会長・七草真由美や風紀委員長・渡辺摩利とであわせるきっかけになるのだった。
魔法を技能として体系化する設定が細かく、もしかするとそれを敬遠する人もいるのかもしれないが、こういう深い設定は個人的に大好き。そして、劣等生だと思われている人物が、実は既存の枠では評価しきれない人物というだけであり、世間の偏見を実力で跳ね除けていくという設定が魅力的に映る。
WEB小説からの出版ということで、これから順次刊行されていくのだろう。たのしみ。
魔法科高校の劣等生 2 入学編 下
2012/01/23 21:27
測り得ない実力が炸裂!
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:くまくま - この投稿者のレビュー一覧を見る
魔法科高校には隠然たる差別がある。それは入学実技試験によりもたらされる、一科生と二科生という違いに起因する。希少な指導者を有効に利用するため、実技に劣る二科生には個別教官がつかないのだ。それ自体は厳然たる区別のはずなのに、その違いが一科生に特権意識を生む。
しかし、今年の新入生にはこの枠組に収まらない人材がいた。首席入学の司馬深雪の兄である二科生・司馬達也。実技に劣る二科生のはずなのに、実力者ぞろいの生徒会副会長を魔法で撃破し、その存在を奇貨と見た生徒会長・七草真由美と風紀委員長・渡辺摩利によって、差別意識に風穴を開けるための一手として、二科生として初の風紀委員に任じられた達也は、早速、剣道部と剣術部の数十人単位の諍いを治め、一躍有名人となる。
この騒動の一方であり、ウィードでもある壬生沙耶香にその実力を見込まれた達也は、ブルームを見返すための策として剣道部に誘われるのだが、それをすげなく断ってしまう。しかし、劣等感にさいなまれている壬生沙耶香は、ブルームを見返すという気持ちをあきらめきれず、とんでもない虫を学校に招いてしまうのだった。
現在の実技選考基準では測ることができないために劣等生とみなされている、司馬達也、千葉エリカ、西条レオンハルトなどの少年少女たちが、試験には現れない実力を示して快刀乱麻を断つ爽快感を味わえる作品。もちろんラノベ的要素として、ラブっぽい淡い感情があったり、遣りすぎに見えるようなブラコンもあったりする。
そして物語は、とても高校生の手に負えるとは思えないような大事件へと発展していく。
魔法科高校の劣等生 1 入学編 上
2015/08/28 23:59
魔法科高校の劣等生(1)
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Carmilla - この投稿者のレビュー一覧を見る
この4月から、鳴り物入りで始まったアニメ番組の原作本・コミック本であるが…
「面白いか?」といわれれば、はっきり言って「????」と思わざるを得ない。
設定はそれなりに面白いとは思っているが、この小説の最大の問題点は文体、そしてその世界観にある。
タイトルに「劣等生」とあるが、主人公は基本的に「魔法」が使えない(それも一般人から見れば、十分に使えるレベルであり、本人が「劣等生」と思っているのは、単に「学校側から見た評価」でしかない」だけで、世間一般から見れば十分に「エリート」である事、主人公の妹の、度を超えたブラコンぶり(二言目には「お兄様すごい!」のノリになって、正直うざいと感じることも)はまだ我慢できるとしても、地の文の文体はまるでPCか電化製品のマニュアルみたいで、正直言って読むのが苦痛だった。会話文のおかしな改行も目障りでしかない。
始めから終わりまで「俺ってすごいでしょ?」というノリ一辺倒で押し切られるので、日常生活に欲求不満を抱えている人間にはお勧めするが、微妙な心理描写とか、人間関係のあやを求める人にはお勧めできない。雑誌「ダ・ヴィンチ」2013年上半期BOOK OF THE YEAR2位になった作品ではあるが、その評価はネット上はもちろん、ラノベ好きの間でも評価は二分されている。