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つかこうへい正伝II~1982-1987 知られざる日々
著者 長谷川康夫
劇作家・演出家「つかこうへい」の知られざる時代を描き出す決定版評伝
『熱海殺人事件』『蒲田行進曲』『いつも心に太陽を』などで知られ、70-80年代に「つかブーム」を巻き起こした劇作家・演出家つかこうへい。
本書は、つかの若き日からブーム頂点での劇団解散までを描いた『つかこうへい正伝1968-1982』(講談社ノンフィクション賞ほか受賞、新潮社刊)の続編である。
本書が描き出すのは、つかこうへいの80年代。82年の劇団解散から、89年の「演劇活動再開」までの期間は、つかの年表でもこれまでほとんど顧みられることがなく、いわば空白の期間となっていた。
この期間、最もつかと行動を共にしていた著者が、80年代のつかの姿――映像作品にかける日々、大竹しのぶとの口立て稽古、沖雅也との関係、祖国・韓国での『熱海殺人事件』公演など、初めて明らかとなる事実を活き活きと描き出す。
さらに特別付録として、「つか芝居」を彩った風間杜夫、平田満とつかこうへいの演出・エピソードを語り尽くす座談会、愛娘・愛原実花との対談、巻頭には、未公開写真を中心とする写真集を収録した、必携の決定版評伝である。
【 目 次 】
口絵:カメラが捉えた「つかこうへい」
第1章:「つか芝居」とは何だったのか
第2章:解散に向けての討ち入り――『つか版・忠臣蔵』
第3章:映像に残るつか芝居――『かけおち‘83』
第4章:新たな時代へ
第5章:祖国での奮闘――『ソウル版・熱海殺人事件』
第6章:出発のとき
座談会:役者が語るつかこうへい:風間杜夫、平田満、長谷川康夫
対談:娘が語るつかこうへい:愛原実花、長谷川康夫
つかこうへい正伝II~1982-1987 知られざる日々
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つかこうへい正伝 2 1982−1987知られざる日々
2024/01/25 16:39
すごい
1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:玉 - この投稿者のレビュー一覧を見る
正伝が発売されたころ、
夢中になって読みました。
高校の先輩の長谷川さんのしっかりとした筆力に引きずられました。
読み応えなどといった平凡な言葉では、いいあらわせません。
その続編が出ました。
かなり時間はかかると思われますが、
追いつきたいです。
つかこうへい正伝 2 1982−1987知られざる日々
2024/05/22 08:33
正伝の続編というより後日譚的な本書、気軽に楽しめる
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:flowerofzabon - この投稿者のレビュー一覧を見る
講談社ノンフィクション賞受賞作に描かれた後、世間的には表舞台から見えにくかった時期のつかこうへいについての筆者からの観察的な伝記。もともと正伝の続編として書かれたものではないし、筆者とつかこうへいの関係性も変化しているので前作のような濃密さや息苦しさはなく、読み進めやすい。
映像作品への起用で出会うことになった沖雅也(と日景忠男)、大竹しのぶとの仕事の様子、ソウル版の熱海殺人事件上演の経緯と熱気、結婚式など興味深いエピソードと、それを取り巻くつかの人間関係にまつわる深謀遠慮は、つかと付かず離れずの筆者の手による描写なら納得できる。
引用されているつかこうへいの作品への言及が作家の長部日出雄、落語家の喬太郎、昇太であることは、筆者の考えるつかこうへいの本質をうかがわせるだろう。
前作のような圧倒される読後感はないが、芝居自体を経験することが不可能な今となってはとにかく貴重な一冊である。

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