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3件
マクベス
著者 シェイクスピア (作) , 木下順二 (訳)
11世紀スコットランドの勇敢な武将マクベスは,魔女の暗示にかかり王ダンカンを殺し,悪夢の世界へ引きずり込まれてゆく.シェイクスピア(1564-1616)は,1600年に36歳で『ハムレット』を書いた後,40歳で『オセロー』,41歳で『リア王』,42歳で『マクベス』と,立て続けに4大悲劇を書いた.作者最盛期の作品である.
マクベス
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マクベス
2024/03/20 12:17
解説に依る洞察の素晴らしさ
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:岩波文庫愛好家 - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書の本篇を一読してみて、成程こういう作品かぁ、という感じでした。印象としては端正な詩をイメージしました。戯曲である為、小説とはまた違った感覚があります。ところが小説を読んでいる時のように舞台情景が浮かび上がってきました。と、ここ迄は本書巻末の解説を読んでいない時点です。
巻末の解説を読了しました。解説は本作の訳者である木下順二氏でした。木下順二―――国語の教科書で『夕鶴』があった事を思い出しました。生涯独身を貫き、2006年に92歳で亡くなった劇作家の木下順二氏です。
本作に関し、私が拾う事の出来ていなかった様々な意味や深掘りを氏の解説が見事に挙げており、驚きの連続でした。勿論、氏が大学でシェイクスピアを研究論題にしていたからこそという点もあります。ですが、それにしてもこれはまさに改めて読み直す必要があります。
この解説がなければ冒頭のような感想に終始してしまっていた事は間違いありません。訳語に於いても大変な辛苦が窺われ、言葉のニュアンスを如何に汲み取るか、その難しさを痛感しました。更に言えばシェイクスピアが生きた時代の世情を情報としてインプットしておくと、何故シェイクスピアがそのような表現を用いたのかも気付くと思います。
マクベス
2015/08/13 03:58
翻訳がすばらしい
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:takobi - この投稿者のレビュー一覧を見る
木下順二氏の名は「夕鶴」で知っていたが、ご本人も劇作家であり、その演出経験も踏まえ、かつ、マクベスの台詞の背景にある意図・肝を十分に踏まえての翻訳は、読む者を一気に引きずり込んで、臨場感あふれ、すばらしいと感激しました。解説文は公開講座での講義を転載されているが、まさに翻訳の種明かしをみているようで、これも興味深い。
マクベス
2001/12/26 00:09
予言
1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:メル - この投稿者のレビュー一覧を見る
《【予言】未来の出来事や未知の事柄をあらかじめいうこと。また、その言葉。》
魔女によって発せられた予言、すなわち《めでたいよのう、マクベス! グラームズの領主殿よのう! めでたいよのう、マクベス! コードーの領主殿よのう! めでたいよのう、マクベス! やがては王になるお人よのう!》という言葉が、マクベスの悲劇を生んだ。もし魔女の予言が無かったら、このドラマはどうなっていたのだろうか。そんな疑問が湧き起こる。
というのも、マクベスは魔女の予言を聞いたために、自ら王になるためにダンカンを殺害してしまったのでは、と思う。たとえば、もし魔女の予言を聞かなかったならば、マクベスはどうなっていたのだろう。やはり何らかの形で王になっていたのだろうか。それともやはり王にはなれなかったのだろうか。
予言というのは、辞書によると、未来の出来事を前もって言うことなのだから、たとえ魔女の予言をマクベスが聞かなくても、やはり王になっていたのではないか。なんてことを読み終えて考えていた。劇としては、かなり退屈になるかもしれないだろうけれど…。