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チェンジング・ブルー-気候変動の謎に迫る
著者 大河内直彦著
温暖化の背後から静かに,しかし確実に聴こえてくる気候変動の足音.地球は,これまでどう変わってきたのか.これからどう変わってゆくのか.その謎の解明にいどむ科学者たちのドラマを,スリリングなストーリー展開で描く.日本の科学ノンフィクションに新たな地平をひらいた,講談社科学出版賞受賞作.(解説=成毛眞)
チェンジング・ブルー-気候変動の謎に迫る
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チェンジング・ブルー 気候変動の謎に迫る
2018/10/11 18:43
サイエンスに裏付けられた気候変動
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:miyajima - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は過去数万年の間に起こった気候変動を取り上げている。原著は10年も前に出版されている。私が読んだのは2015年に文庫化されたもの。だが、そこで述べられているのは「ほぼ確かなサイエンス」だったために加筆はそれほどなされていない。
気候変動のメカニズムを探求してきた研究者たちの積み重ねを丹念に述べている本書は、出来のいいパズルのようだ。年月を経て着実に様々なピースが組みあがる様はサイエンスとしてはもちろんのこと、ジャンルを超えた読み物としても大変に読みごたえがある。
そして、研究結果の積み重ねにより判明した以下の事実に酷く驚かされる。地球規模の気候変動は長期の時間スケールで起こると考えられていたのだが、実はわずか数十年で一気に変わる可能性があるという点だ。つまり、地球温暖化というのは遠い将来の話ではなく、ごく近い未来の話となる可能性があるというのが「確かなサイエンス」として分かってきたというのだ。
ということで多くの人にとって地球温暖化は自分とは関係ないということだろうが、まずは本書を読まれてはいかがかと思う。こんな良質な本が1500円未満で買えるというのは何とすごいことかと思う。
チェンジング・ブルー 気候変動の謎に迫る
2015/10/17 00:53
専門的だが読みやすい
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:zvs - この投稿者のレビュー一覧を見る
内容は専門的ですが、とても分かりやすく書かれています。前提知識はありませんでしたが、用語を軽く調べる程度で読みきれました。
気候変動の仕組みをしっかりとイメージしながら理解でき、最後まで飽きずに楽しめました。
チェンジング・ブルー 気候変動の謎に迫る
2021/05/09 09:48
気候変動に関する良書
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:岩波文庫愛好家 - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書を読了して真っ先に感じたのは、気候変動に関する過去からの内容とデータからの考察が詳細に学べるという事です。
構成として海底堆積物、酸素同位体、氷床、地球の公転軌道と離心率、グリーンランドと南極大陸、アイスコア等についてデータの提示と言及がされています。
中でも掘削による数万年前の堆積物の分析を行う事については現代の技術結晶の一つであり、貴重な情報である事がしっかりと認識出来ます。
因みに、では今後(具体的な期日の時期を設ける訳ではありませんが)、地球の温暖化は進行する一方なのか、また氷河期は到来するのか、についての詳述は本書では薄いです。残念ではありますが、これは現段階ではまだ判らない事柄が多過ぎる点や本書で紹介されている研究も途上である点などを考えると致し方ないかもしれません。これからの解明を期待すると共に短期的に私達に出来る事を為すのが何よりと言わざるを得ない気がします。