- みんなの評価
2件
読書と日本人
著者 津野海太郎著
「本はだまってひとりで読む,自発的に,たいていは自分の部屋で」.私たちがごく当たり前に「読書」と名づけてきたこの行為は,いつ頃生まれ,どのように変化してきたのだろうか? 菅原道真の時代から,まだ見ぬ未来へ.書き手・読み手・編集者として〈読書の黄金時代〉の真っ只中を駆け抜けてきた著者による,渾身の読書論!
読書と日本人
ワンステップ購入とは ワンステップ購入とは
この著者・アーティストの他の商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
読書と日本人
2016/12/09 07:41
読書人は少数民族か
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
「本はひとりで黙って読む」、それが大抵の人の「読書」スタイルだと思う。
では、そんな「読書」はいつから始まったのか確かなところはわからない。
いわゆる「読書通史」なるものに挑戦したのが、元編集者の津野海太郎氏である。この新書の著者である。
この本は大きく2つに分かれている。
前半が「日本人の読書小史」、後半が「読書の黄金時代」。
「あとがき」によれば著者は最初「二十世紀読書論」というテーマで書こうとしていたそうです。これは本書でいえば、後半部分。
ところが、私たちに「読書通史」なるものがないということに気がついて、ならばとまとめたのが前半部分。
歴史的にいえば、明治までが前半で、大正以降が後半となっている。
どうして、大正で区切られているかというと、著者は3つの事象をあげている。
一つは大衆総合誌「キング」の創刊。次に「円本ブーム」。そして、岩波文庫の創刊。
これらの事象を契機にしてまさに「読書の黄金時代」が始まるわけです。
もっとも「読書の黄金時代」は今ではすでにかなたに去った印象は拭えない。
但し、そういった読書の危機は21世紀になって言われたのではなく、すでに昭和30年あたりから指摘されていたそうです。
蝋燭の灯りでひっそりと読んでいた時代から、電車で漫画を読む大学生が登場し眉をひそめた時代を経て、今や電車の中ではスマホばかりが目につく時代。
しかし、著者が語る読書の未来は決して暗くない。
本が好きという人にとって、この新書に教えられることはたくさんある。
読書と日本人
2023/06/03 22:27
電車の中では読書が主流だったのに・・・
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ふみちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
ひところ、よく西洋の知識人たちが電車の中でブルーカラーと思われる人が小説を読んでいるのをみて驚いたという記事をみかけた、日本にはそれだけ読者が庶民には浸透しているのだと胸を張りたい気分だったが、今は電車の中で読書をしている人はまったくの少数派でほとんどの人は携帯だ(電子図書かもしれないけど)、なんだか悲しい