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3件
長い長いお医者さんの話
チェコの文豪カレル・チャペックの楽しい童話集.しんせつな町のお医者さんたちや,はたらき者の郵便屋さんが活躍するしゃれたおとぎ話9編を,兄ヨセフのゆかいな挿し絵が飾ります.
長い長いお医者さんの話
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長い長いお医者さんの話 新版
2001/08/02 15:24
ビターな味わいの短篇集
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:呑如来 - この投稿者のレビュー一覧を見る
チェコスロヴァキアの小説家、カレル・チャペックによるひねりの効いたおとぎ話は、ミルクというよりビターチョコレート。辛口の白ワインを飲みつつ味わうのに最適の短篇集といえましょう。
魔法使いや妖精、カッパが当たり前のように人々の語る話の中へ登場してくるところは、現実と非現実の境界を知らぬ間に越えさせる手法としてうまく働いています。すべてを語らず、余韻でうならせるあたりさすがチャペック。安部公房がリスペクトしていたのも肯ける話です。
7つの作品どれもが素敵なのですが、私は「長い長いお医者さんの話」「郵便屋さんの話」「小鳥と天使のたまごの話」に感銘を受けました。安部公房好きの方なら思わず微笑したくなる作品ばかりです。
長い長いお医者さんの話 新版
2020/09/27 23:09
大人になって再読してよかった一冊。
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:タオミチル - この投稿者のレビュー一覧を見る
子どもの頃読んだものの、大人になって再読し、これは“少年文庫”として子供の本の枠に収めて置く場合じゃないよと思った。
魔法使いとか王様お姫様、小人、妖精みたいなファンタジー的登場人物に対し、医者とか郵便配達人、警官、裁判官などを組み合わせ、時に主役を張らせてしまう物語の建付けがまず新鮮。そうして、社会のリアルとファンタジーという二律背反の事柄を上手く関係づけて仕掛けてみせるのがチャペックらしさなんだろうか?。読者は、どんどん深読みワールドに入っていって抜けられなくなるのだ。
こうして深みにはまれるのは、少しはオトナになって、「社会の仕組み」のひとつも知らないと無理ですよね。
長い長いお医者さんの話 新版
2016/10/29 10:35
兄から弟へ
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
想像力豊かなカレル・チャペックの文章に、シンプルだが味わい深いヨセフ・チャペックの挿絵があっている。ヴァルタヴァ川やカルロヴォ広場など、東欧の街並みに兄弟のきずなをかんじた。