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8件
クマのプーさん
イギリスの詩人が幼い息子のために書いた楽しいファンタジー.クリストファー・ロビンが,クマのプーさんやコブタなど,大好きなおもちゃの動物たちとくり広げるゆかいなお話.
クマのプーさん
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クマのプーさん 新版
2002/07/02 14:11
ディズニーはいったん忘れてください。
9人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ラマ姉 - この投稿者のレビュー一覧を見る
必読書です。石井桃子さんの訳で、読んでください。なに? ハニーハント? この際ディズニーは一切忘れてください。
上で書かれていましたが、ティガーじゃない、トラーです! ピグレットじゃない、コプタです!! オウルじゃない、フクロです!!! 名前だけ見ても翻訳のすばらしさに感心してしましいます。私と妹の間では、プー関係の単語が頻繁に会話に使われますが、プーをちゃんとわかっている人はまわりに意外に少ないので、意味不明な姉妹に思われます。
最後にしつこく。プーを読むなら、石井桃子さんで。
クマのプーさん 新版
2012/01/14 22:32
でだしの、プーさんの登場がとても印象的でした。
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:銀の皿 - この投稿者のレビュー一覧を見る
この表紙の絵そのまま、のプーさんの登場です。登場の場面からお話の世界にすっと入り込んでしまいますね。
お父さんが息子にお話をする、そのお話の主人公がプーさんだったんですね。男の子もプーさんも実在のモデルがあったことをはじめて知りました。あとがきにはそのプーさんの写真まで載っています。「クマのプーさん」、ウィニー・ザ・プーという名前の由来についても、著者のまえがきで教えてもらいました。
「プーさんとはちみつ」やイーヨーの尻尾が取れるお話も入っています。なんだかディズニーのイメージが強くなってしまったプーさんですが、原作の「お話がたり」の雰囲気、ことば遊びの面白さはとても素敵。言葉を少し自分で操れるようになると口ずさむ、意味がありそうで只の「音遊び」のようなプーさんの言葉や歌。もう大人になったら作れないだろうな、と感じる微笑ましい文章です。ディズニーのキャラクターをよく知っている人にこそ、原作のプーさんも是非読んで欲しいです。
「プーさん」のおはなしにはこの挿絵がぴったりしていて、他の絵のイメージが考えられない。それぐらい「プーさん」といえばこの姿です。その挿絵を描いたのはアーネスト・H・シェパード。「ふしぎの国のアリス」の挿絵も描いた人です。
絵本からお話へ、の中間に位置する作品なのでしょう、子どもたちは絵をみ、語ってもらう言葉を耳で楽しむ。絵も重要だけど、お話の言葉も重要。こういう本を経て、自分で文字を読み、自分でお話の世界像をつくり上げていくことができるようになる。
すべての子どもたちが、そんな道を歩めますように。そのためにも、この本が読み継がれて欲しいと思います。
クマのプーさん 新版
2003/10/20 23:09
父と子のあたたかな空気を、永遠へ押し上げた言葉たち。
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:3307 - この投稿者のレビュー一覧を見る
「プー、きみ、朝おきたときね、まず第一に、
どんなこと、かんがえる?」
「けさのごはんは、なににしよ? ってことだな。」と、
プーがいいました。
「コブタ、きみは、どんなこと?」
「ぼくはね、きょうは、どんなすばらしいことがあるかな、
ってことだよ。」
プーは、かんがえぶかげにうなずきました。
「つまり、おんなじことだね。」と、プーはいいました。
(——P252)
底が抜けてるプー、ちいさなコブタ、子沢山のウサギ、
ものしりなフクロ、etc.etc.
1926年、イギリス。
おもちゃ箱のぬいぐるみたちに、
A.A.ミルンは命を吹き込みました。
彼が、クリストファー・ロビンに、聞かせた
クリストファー・ロビンとプーの物語。
子ぼんのうな父親は無数にいるし、
わが子の目を通して出会う「驚きに満ちたおろしたての世界」に
感動できるお父さんも多い。観察眼が鋭いお父さんも、また同様。
ただ、A.A.ミルンが他の父親たちと違っていたのは、
「言葉」を持っていたこと。
普遍的であたたかな世界に、詩人は形を与えました。
プーってやつはねえ。プーは、あんまり頭は、いいほうじゃないさ。
でも、けっして、へまはしない。プーが、なにかばかなことをすると、
それが、ばかなことでなくなっちゃうんだ。
(——P209)
17年かけてようやく、コブタの言葉に共感できた一冊。