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9件
英語独習法
著者 今井むつみ
英語の達人をめざすなら,類義語との違い,構文や文脈,共起語などの知識に支えられた高い語彙力が不可欠だ.記憶や学習のしくみを考えれば,多読や多聴は語彙力向上には向かない.語彙全体をシステムとして考え,日本語と英語の違いを自分で探究するのが合理的な勉強法なのだ.オンラインのコーパスや辞書を利用する実践的方法を紹介.
英語独習法
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英語独習法
2021/12/09 10:45
母語と非母語の間には氷山のような土台構造「スキーマ」の違いがあり、そちらを学ばなければ外国語は身につかないと説く。読めば目からウロコ
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ぴんさん - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者の専門は認知科学。乳幼児が母語を覚える仕組みを研究してきた。私は英語の本の多読によって高校で成績が上がったし、経験的に多読の効用を知る者です。でも、読解以外の能力は、これと別に開発することが必要なのも確か。本書で中心的に述べるスキーマの話は、とりわけ書き、話す場合に有効になると思います。英語のみならず、日本語を含む語学学習に関し、すこぶる示唆に富む一冊です。一歩一歩、ゆっくりと、時には立ち止まってもいいから進むことで、英語も他のことも、達人への道が歩めるのではと思います。読んで以来、なぜか私もちょこちょこ隙間時間に英語の勉強をしています。
英語独習法
2021/07/13 19:44
『英語独習法』
4人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:百書繚乱 - この投稿者のレビュー一覧を見る
“認知のしくみ”にもとづく合理的な“英語学習法”とは
カギは「スキーマ」という認知科学の概念
主に「仕事の場でアウトプットできるレベル、すなわち自分の考えを的確・効果的に表現し、相手に伝えられるレベル」をめざす人に向けて、英語の効果的な学習法を解説する
・リスニングに時間を使うより、まず語彙を強化することと、その分野の記事や論文を読んで、その分野のスキーマを身につけることに時間を使ったほうがよい。
・自然な英語を書くには、日本語の名詞のことを忘れて、文全体で何を伝えたいのかを考えることがとても重要なのである。そのとき、まず動詞を考えるべきである。
・語彙がないうちからやみくもにスピーキング練習をしてもあまり意味がないのである。[中略]最初から同じ時間をかけて4技能を学習することがよいわけではないのだ。
・ライティングが自由にできるようになれば、スピーキングは短期間の集中的な練習で上達する。
・日本語を学習言語とする学校で学ぶ場合、日本語の基盤がしっかりしていないと学力は育たない。[中略]幼児期に他の子どもに先んじて少しの英会話ができるより、成人になってから、英語をプロフェッショナルレベルにまで極めていける術を身につけたほうが、最終的には絶対に有利なのである。
語彙を増やすための熟読法と映画の「熟見」法、オンラインツールを活用する方法など、「英語ができるようになりたい」と漠然と考えている人に明確な指針を与えてくれる
楽してではなく
合理的に
楽しみながら
英語の達人になろう
──帯の紹介文
発売してすぐに増刷
小さいうちから子どもに英語を学ばせたいという世の親にも一読をすすめたい
著者は慶應義塾大学教授
専攻は認知科学、言語心理学、発達心理学
ことばと教育に携わる人には下記の著書もおすすめ
『ことばと思考』(岩波新書)
『学びとは何か──〈探究人〉になるために』(岩波新書)
『ことばの発達の謎を解く』(ちくまブリマー新書)
『親子で育てる ことば力と思考力』(筑摩書房)
英語独習法
2021/06/27 12:36
科学的な学習法
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:第一楽章 - この投稿者のレビュー一覧を見る
やみくもな多読・多聴や早期学習ではなく、認知科学に基づいた science-based な英語学習法を提示。深い語彙力とその枠組みとなる知識”スキーマ”を身につけることこそ英語の達人への道、そしてそのためには、むしろ「熟読・熟見・熟書き」が有効なのだとのこと。独習に活用できるオンラインのツールとその使い方も紹介されていて、確かに『独習法』というタイトルに偽りなし、という内容でした。仕事で英語を使う人向けです。