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3件
生の短さについて
生は浪費すれば短いが,活用すれば十分に長いと説く『生の短さについて』.心の平静を得るためにはどうすればよいかを説く『心の平静について』.快楽ではなく徳こそが善であり,幸福のための必要十分条件だと説く『幸福な生について』.実践を重んじるセネカ(前4頃―後65)の倫理学の特徴が最もよく出ている代表作3篇を収録.(新訳)
生の短さについて
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生の短さについて 他二篇
2011/11/17 13:22
イエスとブッダとセネカ
7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:四十空 - この投稿者のレビュー一覧を見る
生きることを肯定する本もあれば、そうでない本もある。セネカは、イエス・キリストやお釈迦様と同様に、切羽詰ったことのあるひとであればあるほど、読むとその心が穏やかになるのではないかと思う。人間の極限を正直に見透した数少ない宗教人と同じ感覚なのである。
自殺する人は、いわゆる「かわいい人」がほとんどというのが私の持論であるが(こいつが死んでくれたら・・・という人は、絶対に自分を追い詰めない)、そうした悩んでしまった人が、まあイエスの新約聖書、ブッダ、セネカを読めば、死ぬ気は90%失せると希望する。
セネカはいまや経済破綻、EUの劣等生として毎日のようにニュースで取り沙汰されるギリシアの哲人である。しかし、ギリシアの人々を見ると、いまでも実に人間的な顔つき、美貌も多くて、果たして、このような人々がうまくやれない現在の経済活動自体が可笑しいのでは、と奇妙な気持になる。
セネカは2千年前に、現在2011年の世界の病理を、ギリシアの病理として論破している。この痛快さは同時に、「人間とは、2千年前から全く変わっていない」ということが痛感されるのである。人間の行き着く先は常に同じなのだろうか。数多くの珠玉の名言があるが、こんなものがある。
「最もよく踏みならされ、最も往来の激しい道こそ、最も人を欺く道なのである。だから、何よりも肝要とすべきは、羊同然に、前を行く群れに付き従い、事をなすに世評に頼ること、また、(中略)人と同じであることを旨として生きることほど、大きな害悪の渦中にわれわれを巻き込むものはないのである」
2023/03/20 03:36
古典の教訓
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:エムチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る
本当に古い書物なのに、なぜか、今の時代にかえってくるような。生は浪費すれば短いが,活用すれば十分に長いというのは、スゴイ名言ですね、これは。ぜひ、自堕落に若い時を浪費している人に読んでほしいです
生の短さについて 他二篇
2023/02/13 11:55
現代にも通じるものがあった
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:kkzz - この投稿者のレビュー一覧を見る
友人についての一節が好きでした。「忠実で心地よい友情ほど心に喜びを与えてくれるものは他にないであろう。どのような秘密でも安全に納めてくれる用意の出来た心の持ち主、自分だけが知っているよりも、その人にも知ってもらうほうが安心な友、その人と交わす会話が不安を和らげ、みずからの意見で助言し、快活さで憂鬱を吹き飛ばしてくれ、その姿を目にするだけでも喜びを覚える親友は、どれほど得がたい大きな宝であろう。」(『心の平静について』七-3)