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カイメン
著者 椿玲未
脳も心臓も胃腸もない.どこを切ってもスッカスカ.動物?植物?そもそも生物? 海に行けば普通にいるが,印象が薄い.そんな存在感のないカイメンが,じつは生態系を牛耳る黒幕だった?! サンゴ礁の海も世界一透明な湖も,彼らなしには成り立たない.人間も紀元前から利用してきた.ジミにすごい正体にせまる.【カラー頁多数】※この電子書籍は「固定レイアウト型」で作成されており,タブレットなど大きなディスプレイを備えた端末で読むことに適しています.また,文字だけを拡大すること,文字列のハイライト,検索,辞書の参照,引用などの機能は使用できません.
カイメン
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カイメン すてきなスカスカ
2021/10/10 10:39
スポンジのスカスカから見えてくるもの。
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:銀の皿 - この投稿者のレビュー一覧を見る
カイメン。英語ではSpongeスポンジ。でもスポンジと言うと人工的に作られた台所のアレをまず思い浮かべてしまいがち。スポンジはもともと海の生きもので、それに似せて作られたものがアレなのに。ちなみに漢字では海綿。こっちからは「植物?」と思われそうだがカイメンは動物である。
本書はそんなカイメンについて一般向けにまとめた本。基本の知識としての構造や生態、人間の利用の歴史など様々な側面が取り上げられている。面白い話ばかりではなくお勉強的で難しそうな部分もあるけれど、どの部分にも著者の「好き!」な気持ちが感じられて楽しく読めた。
1万年も生きる長生きなカイメンや肉食のカイメン、カイメンを利用するイルカなど、初めて知って面白かった。
あまり動かない、スカスカで柔らかいなどなど。その特徴を人間以外の生きものも様々に利用する。カイメンを利用する動物の話から海で唯一の真社会性動物の話も出てくる。生き物の利用する物質の循環にも、カイメンは大きな役割を負っているようだ。
「一つの生きものにこだわって、しつこくその糸をたぐり寄せていくと、いずれ生物学の、もっというと自然科学の遠景がうすぼんやりとみえてくる」。「おわりに」にある著者の言葉である。いいかえれば「一つの山でも登っていけば、全体がどうなっているのかが少し見え始めるという感じだろうか。この言葉は、何かを学ぶ人すべてに感じて欲しい言葉だと思った。
スポンジの「素敵なスカスカ」からもこんなにいろいろみえてくる。
2024/12/30 22:52
海のスポンジ
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:BB - この投稿者のレビュー一覧を見る
子供たちがEテレのアニメでやっているスポンジボブをよく見ていて、なぜスポンジが海にいるのと聞かれていた。
絵柄を見ると、台所用のスポンジが海に入っているように見える。友人たちは、カニやイカ人といった海の生き物にもかかわらず。ただ、陸から来ているリスの友人がいるので、てっきり台所用スポンジだと思っていた。よくよく考えると、海にもスポンジがいるではないかと言うわけで、この本を子供たちと一緒に読む。海綿の世界の奥深さに触れた。