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2件
招かれざる客
著者 アガサ・クリスティー (著) , 深町真理子 (訳)
外には深い霧が漂っていた。電話を借りるためランゲート館に入ってきたスタークウェッダーはそこで異様な光景をみた。館の当主が椅子にうずくまり、そのかたわらでは夫人が拳銃を握っていたのだ。やがて当主の奇行とその周囲の人間たちの悪意が明らかに……奇怪さが醍醐味のオリジナル戯曲。
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招かれざる客
2022/11/18 06:59
予期せぬラストをお見逃しなく
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
早川書房の「クリスティー文庫」には、アガサ・クリスティーの戯曲が9冊ラインナップされている。
この本もそのうちの1冊で、1958年に発表されたもの、原題は「The Unexpected Guest」。
「Unexpected」は、直訳すれば「予期せぬ」となって、作品自体はこの感じの方があっているように思える。
だって、ある男の殺人現場に、しかも男の妻が拳銃を持ってそばにいるというまさにその時に、深い霧で車を溝にはめた一人の男がそこにやってくるのですから、これはどう考えても、「予期せぬ」客であることは間違いない。
しかも、この「予期せぬ客」は妻をたすけるべく、殺人現場に細工までしていくのですから、この客は何を考えているのだと誰もが思うんじゃないかな。
いくら女性が美しかったとしても、そこまでしないでしょ、普通。
と、ツッコミをいれたくなりますが、この「予期せぬ客」がそうしてくれたおかげで、この殺人事件の背景と殺された男の人物像とその人間関係がはっきり見えてくる。
つまり、この戯曲はこの「予期せぬ客」のおかげで、うんと面白くなる。
しかも、この館に住む住人、妻や母親、少し障害のある異母弟、看護師や従僕、そして妻の愛人と、どれもみな怪しい。
そして、事件はあたかも解決したかのように見えるが、最後にもう一度仕掛けられるアガサからの謎。
これこそまさに「Unexpected」だ。
小説で読みたくなるほど、面白い戯曲だ。
招かれざる客
2019/10/27 20:14
面白い!
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投稿者:earosmith - この投稿者のレビュー一覧を見る
登場人物は少ないけれど全員怪しいというところがたまらないです。題名からしてもう何か起こりそうな予感。