- みんなの評価
5件
パーカー・パイン登場
著者 アガサ・クリスティー (著) , 乾信一郎 (訳)
「あなたは幸せ? そうでないならパーカー・パイン氏に相談を」。こんな広告をみて夫の浮気に悩む夫人が彼の事務所を訪れるが……。「中年夫人の事件」をはじめ、人生に退屈した軍人の話や、旅先で起こる殺人事件の話など、統計学に優れた心の治療専門医が活躍をみせる短篇十二篇を収録。
パーカー・パイン登場
ワンステップ購入とは ワンステップ購入とは
この著者・アーティストの他の商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
2024/06/28 22:17
私も
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ケロン - この投稿者のレビュー一覧を見る
私もパーカー・パインさんに相談に行きたいわ。
でも、短編に登場する皆さんほど劇的な人生を送っていないからなぁ。
パーカー・パイン登場
2021/10/31 11:54
隠れた名主役
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Y - この投稿者のレビュー一覧を見る
お悩み相談の事務所にやってくる人々の悩みを解決する、現実の探偵事務所に居そうな人柄のパーカー・パイン氏が主役。
持ち込まれる悩みも現実に有りそうなものが多い。が、解決方法が独特で、短編集だが次々読んでいっても読み飽きない。
事務所の仲間も個性的で、例えばポアロ物やマープル物では怪しまれ詰問される側になるだろう人物達が探偵側で働いている。
クリスティーの他有名作品を何冊か読んだあとで読むと事務所の仲間達がより好きになると思う。
パーカー・パイン登場
2020/04/22 18:22
こんなスゴイ奴がいた
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
「ミステリの女王」アガサ・クリスティーが生み出した名探偵といえば、誰もがエルキュール・ポアロとミス・マープルの名前を挙げるだろう。
この2人に関していえば、原作を知らなくても映画やドラマで名前だけは耳に入ってきたし、原作を読めばさらにその名前への崇拝は増してくる。
しかし、アガサにはまだ隠し球があった。
もしかしたら、ポアロやミス・マープル以上に素敵な逸材が。
それが、この短編集の主役、パーカー・パインだ。
「太っているとはいえないまでも、大柄な男だ。上品な禿げ方をした頭と、度の強いめがね、小さいきらきら光る目。そして、ある種の雰囲気―頼り甲斐があるという雰囲気の持ち主」、それがパーカー・パインだ。
パイン氏は探偵ではない。「あなたは幸福ですか?」という奇妙な新聞広告を出す身の上相談所のような仕事をしている男だ。
彼の自慢といえば、役所で調査統計の仕事を長年やってきて、その統計の知識で「幸せでない人」を救い出すというもの。
やってくるのが、「中年夫人」であったり「退屈している軍人」であったり「困りはてた婦人」であったり「不満な夫」であったり「サラリーマン」であったり「大金持ちの婦人」するのだが、彼らの悩みをパイン氏は自分のお抱えの部下を使って、相談者が知らないうちにその不満を消してしまうという、なんとも見事な手腕を発揮するのだ。
それが実にテレビ的で、この作品が発表された1934年にはもちろんテレビなどないが、アガサは映像的な展開をよく心得ている。
後半の六編は少し趣向が違うが、ここでもパイン氏の謎ときは見事だ。