- みんなの評価
11件
ララピポ
著者 奥田英朗 (著)
みんな、しあわせなのだろうか。「考えるだけ無駄か。どの道人生は続いていくのだ。明日も、あさっても」。対人恐怖症のフリーライター、NOと言えないカラオケボックス店員、AV・風俗専門のスカウトマン、デブ専裏DVD女優のテープリライター他、格差社会をも笑い飛ばす六人の、どうにもならない日常を活写する群像長篇。下流文学の白眉。映画化の話題作。
ララピポ
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ララピポ
2010/01/06 23:03
ララピポ
4人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:トマト館 - この投稿者のレビュー一覧を見る
なんだか間の抜けたようなタイトルからして、
笑わせてもらえるんだろうかと思ったら、
なかなかどうにも笑えないような、
それでいて
人間ってあほだな、とあきれてしまうような場面が多かった。
裏表紙のあらすじ部分に、
「格差社会をも笑い飛ばす六人の、どうにもならない日常を活写する群像長編」
って書いてあるんですが、
この解説は群像長編って所以外は的外れだと思います。
それぞれの主人公は、笑い飛ばせていません。
最底辺への入り口が、
どこにあったのか、
いま入り口あたりなんじゃないのか、
もう入り口には戻れないのか、
というぐるぐるの中にあると、わたしは感じました。
こってり風俗の話です。
きついと思います。
でも、主人子たちの、
ちょっとしたぼやきや性格は、
充分共感できるのです。
そのあたり、ぜひ。
ララピポ
2022/02/26 16:58
ぎょっ
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:はち - この投稿者のレビュー一覧を見る
タイトルからはこんな話とは思えない下衆い話!人それぞれの人生があってそれを覗いているような感じ。短編ですがそれぞれが接続していておもしろくあっという間に読めました。
ララピポ
2020/02/10 11:52
生き方いろいろ
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:けろん - この投稿者のレビュー一覧を見る
対人恐怖症の人物が出てくるということで、気になって読んでみた。奥田英朗さんの小説は初めて読んだ。登場人物みな何かしらコンプレックスを抱えていて、隠し事がある。犯罪すれすれ、もしくはすでに法に触れて生きている。そして、とにかく性に奔放。性的な描写が多くて、うんざりするほど。今まで読んだことのないタイプの本だった。不快になるシーンが多かった。ゲロの描写のリアルさはトラウマになりそう。
第一話から第四話まで読んで、それぞれラストで人が死ぬのだなと思っていたら、第五話では死ななかった。社会的死ではあるが。そして、第六話で実は全員生きていることが分かる。みんな一度「死ん」で、これから先生き方を改めるのかもしれない。ちっとも変わらないかもしれない。終盤になって、謎のタイトル「ララピポ」の意味が突然明かされる。外国人が早口で言った、「a lot of people」。
みんな、どんな人生を送っているのだろう。みんな、しあわせなのだろうか。
考えるだけ無駄か。
泣いても笑っても、どの道人生は続いていくのだ。
明日も、あさっても。
死のうと願っても死ねないこともあるなんて、人生って本当に思うようにいかないものだ。特別なハッピーエンドでもバッドエンドでもない、この小説のそんな終わり方がまるで人生みたいで、味があって良かった。