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8件
彼女がその名を知らない鳥たち
著者 沼田まほかる (著)
八年前に別れた黒崎を忘れられない十和子は、淋しさから十五歳上の男・陣治と暮らし始める。下品で、貧相で、地位もお金もない陣治。彼を激しく嫌悪しながらも離れられない十和子。そんな二人の暮らしを刑事の訪問が脅かす。「黒崎が行方不明だ」と知らされた十和子は、陣治が黒崎を殺したのではないかと疑い始めるが……。衝撃の長編ミステリ。
彼女がその名を知らない鳥たち
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2017/12/31 13:13
途中からぐんぐん面白くなった
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:プロビデンス - この投稿者のレビュー一覧を見る
はじめは、嫌悪感が匂い立つような、読むのがいやになるような空気だったのが、だんだん続きがきになるようになる。ヒトの嫌らしさが随所に現れ、ユラユラ揺れてる川のような話だったのに、意表をつく物語だった。この作家の他の作品をもっと読んでみたいと思った。
彼女がその名を知らない鳥たち
2013/04/23 02:10
自分の凄い好きな作品です
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:たびびと - この投稿者のレビュー一覧を見る
中盤までは読んでて不快感を覚えるような作品なのですがラストは本当に凄いです。
最後の1ページでここまで泣かされる作品は中々ないと思われます。
興味がある方は是非ご一読を
2020/05/01 16:46
恋や愛の概念が覆る1冊
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:タラ子 - この投稿者のレビュー一覧を見る
あとがきにもあるように、「これを恋というならば、私はまだ本当の恋を知らない」その言葉が読後じわ〜と沁みてくるすごい作品だった。
主人公十和子が一緒に住む陣治という男は不潔で下品で誰がこんな男性を好きになれるのかというひどい有様で描かれている。しかしどれだけ十和子から罵られ蔑まれようが決して陣治は十和子から離れない。最初その執着を不気味に感じるが読み進めていくうちに見えていた世界が徐々に変化していく。果たして本当に異常なのは誰なのか。
著者の作品ではいつも社会的地位や見た目に騙されてはいけない、邪悪な顔を隠すために仮面をつけた人間が普通に暮らしていることを教えられる。けれどもそんなどうしようもない世の中で、著者はいつも苦しくなるほど綺麗な光景を見せて希望を持たせてくれる。そんな著者の作品が私は大好きだ。
この究極の愛の物語は一生私の心に残り続けると思う。