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6件
癒し屋キリコの約束
著者 森沢明夫
純喫茶「昭和堂」の店主・霧子は、美人なのに、ちょっとぐうたらな不思議系。でも、裏の「癒し屋」稼業では、依頼人のどんな悩みも奇想天外な手法で一発解消させる敏腕だ。ところが、そんな霧子にも悲しい過去が――。ある日、彼女宛てに届いた殺人予告。それをきっかけに、霧子は過去と向き合う勇気と未来への希望を取り戻していく。感動エンタメ。
癒し屋キリコの約束
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癒し屋キリコの約束
2022/03/24 06:57
涙腺の込み上げを抑え、晴れやかな気持ちへ昇華
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:岩波文庫愛好家 - この投稿者のレビュー一覧を見る
冒頭の衝撃的なイベント、しかも微妙に確定的な表現を避けた結末・・からのカウンセリングストーリーを数篇経て本書の本当の話へ迫っていく・・中々に凝った仕立てでした。
カウンセリングストーリーは、それなりに感心しましたが、やはり胸を打ったのは『本篇』です。ちょっとばかり嗚咽感に見舞われました。
妻が以前、霧子さんと同じ職種に就いていた事もあり、この仕事は非常に大変な仕事だという事を何となく感じていただけに、より一層他人事には思えませんでした。
人が人を裁くのは裁判官。人が人を治療(心の)するのはカウンセラー。裁判官には判決を要求されますが、カウンセラーには結論を要求されるとは限りません。ここが妙味です。本書では寄り添うが余り苛まれる事になりますが、超過した心の領域に至る必要はなく、真摯に誠実に相手に向き合う事だけが唯一大切な本当の意味での『癒し』になるのではないか、と思います。
2016/10/14 01:00
けっこう身に沁みた
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:szk - この投稿者のレビュー一覧を見る
最初はどこが「癒し」なんだろって思いながら読んでいたけれど、話が進むにつれどんどん内容が濃くなっていって最後はもう、ちょっとうるってきた。キリコさん、すごい人だ。底抜けに明るい人ってもしかしたら、ほんとうはすごく暗く辛い過去をかかえているのかもしれないって思ったよ。いや、そういう過去を受け入れられた人だからこそ、底抜けに明るくなれるのかも。努めて明るくとか一瞬、気は紛れるかもしれないけれど結局自分を騙してることになるのかな。過去を断ち切るのではなく、受け入れるのが大事。キリコさんの言葉。これは身に沁みた。
癒し屋キリコの約束
2022/02/21 20:33
最初の方で読むのをやめないで欲しい1冊
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:TOM - この投稿者のレビュー一覧を見る
森沢明夫さんには珍しい物語の始まり方で、途中描写が具体的で胸を衝く所もありましたが、森沢さんの作品らしい、柔らかで人情あふれる作品でした。
恋する失恋バスツアーを既読していたので、「あ…」と思えるシーンありました