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  • みんなの評価 5つ星のうち 4.3 7件

僕は、そして僕たちはどう生きるか

著者 著者:梨木 香歩

やあ。よかったら、ここにおいでよ。気に入ったら、ここが君の席だよ。
染織家の叔父ノボちゃんから「コペル」とあだ名された十四歳の「僕」。親の事情でひとり暮らしをしている。ある朝、土壌生物を調べに行った公園でばったり会ったノボちゃんを連れ、小学校以来疎遠になっていた友「ユージン」を訪ねることになる……。そこから始まる長くかけがえのない一日を描く青春小説。
現代の「コペル」は考え続ける。──モラルが失われたこの時代に、周りに流されず、友との信頼を築いて生きるには──?

電子化にあたり、植物等について後注26項目(著者監修)を追補しました。

*梨木香歩
一九五九年生まれ。作品に『西の魔女が死んだ』『裏庭』『からくりからくさ』『家守奇譚』『村田エフェンディ滞土録』『沼地のある森を抜けて』『この庭に』『f植物園の巣穴』『ピスタチオ』『海うそ』『岸辺のヤービ』、絵本に『ペンキや』『蟹塚縁起』『マジョモリ』『ワニ』、エッセイ集に『春になったら苺を摘みに』『ぐるりのこと』『水辺にて』『秘密の花園ノート』『渡りの足跡』『不思議な羅針盤』、 翻訳書に『哲学と子ども』『ある小さなスズメの記録』などがある。

僕は、そして僕たちはどう生きるか

税込 1,375 12pt

僕は、そして僕たちはどう生きるか

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みんなのレビュー7件

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評価内訳

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僕は、そして僕たちはどう生きるか

2011/07/07 16:54

私たちはもう少し謙虚に、生活を、人生を、じっくり考えた方がいいのではないか

12人中、12人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:mieko - この投稿者のレビュー一覧を見る

 主人公はコペル君という十四歳の少年です。「コペル君」ってどこかで聞いた名前だなと考えながら、もしかしてアレかなと、本棚から『君たちはどう生きるか』(吉野源三郎・著)という岩波の文庫本を取り出して開いてみました。そしたらやっぱり、こちらの主人公の名前も「コペル君」でした。どちらも「コペルニクス」からとったニックネームです。
 『君たちはどう生きるか』という本は、一度読んでみるといいよと勧められたので、長男が中学二年生のころに、私が先に読んでみて良かったら息子にも読ませよう、などと下心丸出しで購入したものですが、最初の50ページくらいを読んだだけで、そのまま本棚のこやしとなっていました。けれど今回、タイトルは似ているものの、梨木香歩さんの『僕は、僕たちはどう生きるか』は、あっという間に読んでしまいました。

 植物や動物に興味がある、というか環境に興味がある14歳のコペル少年は、両親の事情で一人暮らしです。そして以前は仲良しだったユージンという少年もまた家庭の事情で一人暮らしです。しかも彼は明確な意志を持って不登校を続けています。
 ユージンの住んでいる家は、乱開発の波にのまれていった郊外の町の中に残された、かなり大きな敷地の中に建っています。原生林のような森の匂いがする広い庭には、かつて町の開発の折に、「取り返しのつかないことになる前にそこにある植物を自分の家の庭に移そう」といって保護してきた植物たちがひっそりと息づいており、今となってはユージンの家の庭は「奇跡」のような状態になっています。
 そして、主であるユージンも知らぬ間に、その庭に住んでいる女の子がいました。ユージンのいとこ・ショウコの友達で、抜き差しならない状況に置かれているため、ショウコが母親と相談してその少女をこの庭でこっそり生活させているのでした。

 不思議な縁でこの庭に集まった4人の子どもたちは、彼らにかかわるコペルの叔父・ノボちゃんや、ショウコの母親の友人の息子でマークというオーストラリア人とのふれあいの中で、さまざまなことを語り合います。300ページにも満たないこの物語の中には、環境保護の問題、不登校の問題、命のこと、インターネットの危うさ、垣根が低くなった風俗産業の罠、戦争のこと、ヒトラー・ユーゲントのこと、徴兵制度のことなどが語られています。そんなに沢山のことを盛り込んでしまったら消化不良を起こしてしまうのではないかと心配になるほど沢山の問題を詰め込んでいるのに、それらの問題がバラバラにならず「僕は、僕たちはどう生きるか」というところに集約されていくのが凄い。
 中学生で、この物語のような行動ができるというのは、いささか出来すぎではあるけれど、親の立場で読むと、この子どもたちの生き方はある意味、理想的です。

 しかし、子どもに「どう生きるかを考えよ」と言う前に、様々なことが氾濫している今の世の中で、大人こそがまず価値観を見直してどう生きるかを考えるべきでしょう。

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僕は、そして僕たちはどう生きるか

2012/03/20 16:58

「どう生きるか」を先達として教えるのではなく、悩む中から見つけていくのによりそい、支えていく目線。

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:銀の皿 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 家庭の事情で一人でいることが多い主人公の中学生。染色をやっている叔父さんは材料採取のために山にすんでいるし、友人も引きこもりのような状態、とどの人物もみな少し癖があります。主人公がコペルと呼ばれたり、ブラキ氏というのが犬だったり、日本が舞台らしいのにちょっとどこの話かと迷うような設定に、いつの間にか「梨木ワールド」に引き込まれていきます。

 クラウド。あるいは霧。私が梨木さんの文章から感じて想い浮かぶ言葉です。どこへ行くのか、何をいおうとするのか、ストレートでないもどかしさを手探りで進むと、視覚以外の五感が研ぎ澄まされて違う世界が感じられてくる。読んでいるときはそんな感じです。このお話もそうでした。
 そしてお話の最後には主人公の感じる想いがいつの間にかこちらに沁みこんできます。霧にしっとり濡れたように。登場人物それぞれがもつ問題やもどかしい気持ちまでもが、まとまらないならまとまらないなりに伝わってくる。

 本書の題名から、岩波文庫にも入っている「君たちはどう生きるか」を思い浮かべるかたもあるでしょう。主人公の名前まで覚えていなくても。「君たちは・・」と違うのは「僕は、僕たちは」という目線の位置でしょうか。「どう生きるか」を先達として教えるのではなく、悩む中から見つけていくのによりそい、支えていく。そんな目線で書かれているように思います。今風にいえば「上から」でなく「横から」目線。
 家族や自分自身の、現代的な問題を「顔には出さないで」静かに苦悩している若者たち。そんな若者たちが手探りで近づきあい、見つけたのはつながりの大切さ。それも、緩やかでいい加減なつながり。絆、という言葉を誰もが感じなおしたこの一年だったとおもいますが、「緩やかでいい加減なつながり」という言葉になにかほっとする気持ちにもなります。

 霧の中を手探りのように読んでいく梨木さんの文章は、いろいろな思いをわきあがらせてしまうせいか、感想や評価が上手く言葉になりません。でも、静かな日本の里山の自然にふれながら彼らが感じていくものを共有してみて欲しい、そんな作品です。

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僕は、そして僕たちはどう生きるか

2011/10/20 17:22

泣いたら、だめだ。考え続けられなくなるから

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:相羽 悠 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 よく通る声がある。声高ではないのに、どちらかと言えば控えめな声なのに、この流れなら無視されてもおかしくないのに、まっすぐ相手に届く声がある。ここぞという場面で、梨木香歩はこうした声を投げかける。

 本書の主人公コペルは十四歳の中学生。母親は遠距離通勤のため宿舎で暮らしており、父親も体の弱い母親を気づかって宿舎で過ごすことが多く、いきおいコペルは一人暮らしをよぎなくされている。とは言っても、寂しさのあまり引きこもるでもなく、栄養不足で体調を崩すわけでもなく、日々の生活に不自由は感じていない。雑木林で過ごす時間の楽しさを知り、ノートにいろいろ書きながら考えをまとめることが好きで、気負いもせず「不見識」なんていう言葉を口にしたりする。

 この日、コペルは植物採取のため、幼なじみのユージンの家を訪ねる。彼は鬱蒼とした森に囲まれた家に住んでいる。広大な敷地にシイ、カシ、ケヤキの大木が並び、沼と見間違うくらいの池ではアメンボが行き交う。しかも恵まれているのは自然だけではなく、家の屋根裏には古い本がいっぱい詰まっている。なんとも羨ましい。そうした環境で、ユージンは旧字もすらすら読みこなす、知識欲の旺盛な少年に育った。コペルとユージン、ふたりの共通点はむずかしい言葉をたくさん知っていること以外に、もうひとつある。ユージンの両親は離婚しており、彼を引き取った父親は海外に赴任中、コペル同様、親に守られる一方の子ども時代をユージンも早々に卒業したのだ。ただ、小学校の高学年から学校に来ておらず、その理由が思い当たらないコペルは今もとまどっている。昼時になり、ふたりは庭の野草をつかった料理について調べはじめるが、ある事件がおきて、この日の午後、思いがけない出会いが待っていることを知る由もなかった。
 
 コペルとユージンは何か考えるとき大雑把な捉え方を避ける。たとえで言うなら、この道を通ったという表現では終わらせず、歩いているとき視線が何を追っていったのか、途中で何があったのか、その道中を細分化していく。それを可能にしているのがふたりの豊富な語彙だ。自分の考えを表わすのに的確な言葉を選べるからこそ、思考の流れをきちんと整理することができるし、問題点がぼやけたりしないから深く考えることができるのだ。

 実際、この本では、ぼんやりとしていたものが焦点を結んでいく過程を、コペルの目を通して観察することができる。生きるために許される節度、戦時という特殊な環境のなかで「僕は、そして僕たちはどう生きるか」考え続けた男性の話、さりげなく図書館に置いてあった本に仕掛けられた巧妙な罠。なかでも《人は、人を「実験」してはいけない》というテーマにつながるエピソードは強い毒をもっている。コペルと同世代の女の子は、催眠術にかかったように「ふつう」という言葉にもてあそばれ、理念に支えられていたはずの「実験」の陰には、あまりにも人間的な悪意が潜んでいた。

 ユージンの登校拒否につながる場面に実は自分もいたことを知ったコペルは大きなショックをうける。彼がどれだけ傷ついたか、ちょっと想像してみれば、わかることだったのに。こらえきれず場所を変えて泣きだしてしまったとき、意外な人物から「泣いたら、だめだ。考え続けられなくなるから」という声がかかる。情に流されるな。自己憐憫という殻に逃げ込むな。泣くことで問題から目をそらすな。ひどく辛い思いをしているときにかけられた容赦ない言葉だが、そのメッセージはまっすぐ届いた。了解の印に、すぐさま頷いたコペルが清々しい。安易な慰めに救いを求めない姿勢がいい。

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