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貧乏人の経済学――もういちど貧困問題を根っこから考える
著者 アビジット・V・バナジー(著) , エスター・デュフロ(著)
貧困研究は、ここまで進んだ! 食糧、医療、教育、家族、マイクロ融資、貯蓄……世界の貧困問題をサイエンスする新・経済学。W・イースタリーやJ・サックスらの図式的な見方(市場 vs 政府)を越えて、ランダム化対照試行(RCT)といわれる、精緻なフィールド実験が、丹念に解決策を明らかにしていきます。
貧乏人の経済学――もういちど貧困問題を根っこから考える
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貧乏人の経済学 もういちど貧困問題を根っこから考える
2017/09/06 03:02
貧困の実態がわかる一冊
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ひー - この投稿者のレビュー一覧を見る
これまで国連を中心とした開発政策、MDGs においてサブサハランアフリカでは、他の地域よりも後れを取っていた。その原因は何か。そして、貧困は人間の経済活動をどのように変えるのかがわかる一冊です。
貧乏人の経済学 もういちど貧困問題を根っこから考える
2020/04/19 09:53
考える視点
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:怪人 - この投稿者のレビュー一覧を見る
2019年、ノーベル経済学賞を受賞した3人のうちの2人の経済学者、開発経済学を専門とする著者達の本である。現場に入って地元目線で調査を行い、RCT等によってできるだけ科学的な検証を行い、行動経済学の知見も駆使しながら、個別具体的に詳細に検討していく。その上で発展途上国の人々が経済的になかなか浮揚していかない原因を探求し、その教訓と解決策を提案している。
欧米諸国、いわゆる先進文明国の人間の目線では容易に理解できない教訓が5つ示されている。その一つとして、政治経済制度の問題があるといい、3つのIが普遍的に支障になっているという。3つとは、無知(ignorance)、イデオロギー(ideology)、惰性(inertia)である。3つの中でもイデオロギーは開発支援や援助に関する左右両翼からの主張であり、見解が大きく異なる。それらを批評するとともに、外部からの支援や援助を行っても功を奏しなかった理由について言及している。途上国の人々が決して何も考えてはいないのではなく、彼らなりの判断と決断で行動しているということである。詳細に分析することによって深い理解が進み、合点がいくことに繋がる。
今日の所得と将来の所得の関係は、多くの人の考え方の基礎となっているような逆L字曲線ではなく、S字曲線で表されるとする。支援や援助が行われれば貧乏な状態から所得が必ずしも一様に上昇していくというわけでもなく、現地の人々を理解していない、不十分な援助や支援活動が却って、現在の所得をさらに減じてしまうことにもなる。この領域のことを貧困の罠ゾーンと定義し、ますます貧乏になってしまうというものだ。現在行われている支援や援助の大半が結果的にうまくいっていないことをよく説明してくれる。
これからの支援方策は難しい課題だが、現地の人に寄り添う努力、様々な発想などが不可欠なのだろう。即効的なものではなく、根気のいる仕事だ。
貧乏人の経済学 もういちど貧困問題を根っこから考える
2017/06/06 23:44
専門性を抜きに読んでみても面白い
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:サラーさん - この投稿者のレビュー一覧を見る
開発経済学に属する内容ですが、直感的に読んでも色々と考えさせられる本です。一概に貧しい地域といってもさまざま、発展を後押しするためにはなにが必要か考える内容です。