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いかにして民主主義は失われていくのか――新自由主義の見えざる攻撃
著者 ウェンディ・ブラウン(著) , 中井亜佐子(訳)
いまや新自由主義は、民主主義を内側から破壊している。新自由主義は政治と市場の区別を取り払っただけでなく、あらゆる人間活動を経済の言葉に置き換えた。主体は人的資本に、交換は競争に、公共は格付けに。だが、そこで目指されているのは経済合理性ではない。新自由主義は、経済の見かけをもちながら、統治理性として機能しているのだ。
その矛盾がもっとも顕著に現れるのが大学教育である。学生を人的資本とし、知識を市場価値で評価し、格付けに駆り立てられるとき、大学は階級流動の場であることをやめるだろう。
民主主義は黙っていても維持できるものではない。民主主義を支える理念、民主主義を保障する制度、民主主義を育む文化はいかにして失われていくのか。新自由主義が民主主義の言葉をつくりかえることによって、民主主義そのものを解体していく過程を明らかにする。
いかにして民主主義は失われていくのか――新自由主義の見えざる攻撃
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いかにして民主主義は失われていくのか 新自由主義の見えざる攻撃
2019/04/10 21:24
最初の数章で十分
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投稿者:病身の孤独な読者 - この投稿者のレビュー一覧を見る
個人的な感想であるが、最初の章で本書の全てのことが書かれていると言っても過言ではない書籍であった。そのため、評者は数十ページで読むのをやめた。簡単に述べると、新自由主義の名のもとに、全ての人間らしい部分が経済化していき、民主主義の没落が生じるというもの。経済帝国主義と内容がだだかぶりであり、新鮮味に欠ける。さらに、紙数を増やすためかわからないが、いらない豆知識も含まれる。少々物足りなかった。