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3件
大正天皇
著者 原武史
愛情を受けず病気を繰り返した幼少期、全国を回った皇太子時代、明治天皇の重圧と闘いながら病状を悪化させていった天皇時代……。明治と昭和のはざまに埋もれた悲劇の天皇像を明らかにした、毎日出版文化賞受賞作が待望の文庫化。
大正天皇
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大正天皇
2018/09/06 06:12
天皇
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:七無齋 - この投稿者のレビュー一覧を見る
あまり注目されることのない大正時代だが近代でこんなに魅力的な天皇はいないだろう。詳しく調べられ誤解も検証されるべきだろうが大正天皇の様子がよくわかる。
大正天皇
2024/01/14 23:56
「皇后考」のような空想が先走ってはいないような
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:オタク。 - この投稿者のレビュー一覧を見る
原武史の著書は思いつきと空想が先走っている傾向を感じてしまう。いい例が「皇后考」。MBCの「イ・サン」の視聴者向きにそう書かないで正祖と書いている個所があるので韓国語が出来て朝鮮時代を取り上げた著書がある人だと分かる個所はあるが。
大正天皇の伝記というより鉄道オタクが書いたような大正天皇の行幸啓について論じた個所の方が目についてしまう。この本は「皇后考」のような思い込みが激しい記述がそれほど感じない。
この本は明治40年に行われた皇太子嘉仁親王の韓国行啓を書いた個所では韓国の新聞の引用は自分で訳文を作成している。韓国語が読めるという長所を生かしているいい例だ。
文庫本あとがきには「椿の局の記」なる関屋貞三郎が宮内次官時代に起こしたらしい?不敬事件?が書かれている本を重宝しているようだ。権藤四郎介の「李王宮秘史」の復刻版の解説を書いた時には彼が版元が伝記を出していた権藤成卿の実の弟だという事を知らなかった(という以前に権藤成卿の存在すら知らなかった?)らしいので関屋貞三郎の経歴を知らない可能性が高そうだ。
文庫本あとがきにあるように、この本が刊行されてから大正天皇の伝記が複数刊行されるようになった。改めて大正天皇の存在を認知させた意義はあるだろう。「幕末の天皇」が取り上げられる機会のなかった光格天皇をスターダムに引き上げたのと同じだ。
張赫宙の「秘苑の花」は英王李垠から取材している作品だが明治天皇の存在は感じられても通訳を交えずに直接話したいと韓国語を学んでいた大正天皇の存在は希薄だ。あるとすれば実際に英王李垠が参列していた践祚後朝見の儀での光景ぐらいだ。張赫宙の創作でなければ英王李垠にとって大正天皇は存在感が薄い天皇だったのだろうか。ある意味において大正天皇の片思いだったのかもしれない。
大正天皇
2022/02/20 15:43
明治と昭和の間で
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投稿者:かずさん - この投稿者のレビュー一覧を見る
明治と昭和の間に15年在位した大正天皇。この天皇については年齢が高い人には国会の遠眼鏡事件で印象付けられている場合もあるが真実を明確にした話はあまりない。大正天皇を幼少期・皇太子・即位後と資料や当時発達し始めたメディア資料で考察している。皇太子時代には国内各地を巡啓して歩き活発に発言し縛られる事を嫌っていた。しかし即位後は規律・秩序・形式に縛られ体調を崩して行った。これらは操り人形を拒否し人間性を保持しようとした人間天皇の葛藤があったと著者は言う。近くにいた人からの公の発言が少なかったことからもかえって忘れ去られた存在になったのではないか。