生かさず、殺さず
息もつかせぬストーリー展開で、認知症専門病棟の医師と看護師、家族の壮絶で笑うに笑えない本音を、現役の医師が描いた医療サスペンスの傑作。認知症の患者も、がんや糖尿病などさまざまな病気を患う。彼らをどのように治療すべきか。一般の患者なら、検査や治療に協力も得られるが、認知症の患者はスムーズにはいかない。認知症患者専門病棟「にんにん病棟」では、主人公の医長の三杉や看護師たちが、日々認知症相手ならではの奮闘を続けている。とりわけ看護師たちの苦労は並大抵ではない。 一方、医者から作家に転じた坂崎は、鳴かず飛ばずのスランプを脱するべく、三杉をモデルにした小説を企てて、取材協力を求めてきた。坂崎は三杉が密かに悔やむ過去を知っており、それをネタに三杉を追い詰め、窮地に陥れて、小説にしようとするが……。治療が認知症患者に必要以上の苦痛をもたらすとき、いったい医師は、どのような治療を選択すればよいのか。そこにある葛藤と逡巡。在宅医療を知る医師でもある著者の既刊『老乱』『老父よ、帰れ』につぐ「認知症小説」の決定版。
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生かさず、殺さず
2020/08/09 11:41
重いテーマの娯楽小説
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:makiko - この投稿者のレビュー一覧を見る
認知症の人が他の病気にかかっているとき、本人には治療の意味もわからないのにどこまで治療すべきなのか、認知症患者ばかり集めた病棟の医長が悩みつつ、自分の外科医としての過去の失敗にも向き合う話。どうなるのかと固唾をのんで読み進めたら、問題の患者が死亡したり厄介な人物が失踪したりして事なきを得たという辺りが娯楽小説の枠を出ない感じで興醒めしましたが、主人公の誠実さには好感を持ちました。
2023/04/15 21:37
ありそうな……
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:エムチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る
実際に、我が国では、認知症患者は何万もいますし、その患者さんたちも、癌や、色々な病にかかります……そこで、現役の医師がどうやって治療しているのか……。どの病院でも、ありそうなお話でした。
生かさず、殺さず
2021/10/24 09:25
途中下車しました
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ぼちぼち - この投稿者のレビュー一覧を見る
舞台が認知症病棟のせいか久坂部羊にしてはダラダラとした展開。医学的にも疑問な部分も多くてサスペンス性もあまり感じられなく、このまま読んでも大したどんでん返しもないだろうと思い読むのを中断した