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9件
存在のすべてを
著者 塩田 武士
平成3年に発生した誘拐事件から30年。当時警察担当だった新聞記者の門田は、旧知の刑事の死をきっかけに被害男児の「今」を知る。再取材を重ねた結果、ある写実画家の存在が浮かび上がる。質感なき時代に「実」を見つめる者たち──圧巻の結末に心打たれる、『罪の声』に並び立つ新たなる代表作。
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存在のすべてを
2023/10/31 07:53
ミステリであり、愛の物語でもある
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:黒足袋 - この投稿者のレビュー一覧を見る
テレビ番組での紹介で興味をもち、ミステリと思って読み始めました。
真相究明だけでなく、事件に関わる人々にぐいぐい引き込まれていきます。
これは事件ミステリが背景にある多様な愛の物語なのかもしれません。何度か落涙しました。
また読み直しています。何度も読みたいと思います。
2024/08/05 11:35
育ての親
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:hid - この投稿者のレビュー一覧を見る
自我が形成されていく時期に育てた子を手放すのはキツイよなあ。
そうするしかなかったんだけど。
画廊屋さんと運送屋さんが偉いな。
存在のすべてを
2024/02/29 13:54
物語は、登場人物の人生が何層にも折り重なり、深く豊か。読了後の満足感が高い。
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:タオミチル - この投稿者のレビュー一覧を見る
序章ではじまる誘拐事件。その解決のため動く刑事たち...そんな物語ではじまるもので、本作は刑事小説、あるいはミステリィー小説なのかな?と読み始め...。
しかし、一章は、その20年後にして、序章で活躍した刑事の葬儀にシーンで始まった。
物語は、作品ジャンルの枠を超え、時にアート世界の功罪。序章で語られた誘拐事件の謎を追う、刑事と記者のやりとりなどを織り交ぜて、終盤は、血縁のない家族の愛情の話にまで編まれていった...うーむ。
途中、物語についてゆけずに、一度読んだページに戻って確認したりして、私の読書力ではなかなかに歯ごたえがあった。しかし、読み切ってよかったぁ~とココロから思える読後感です。