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根本敬ゲルニカ計画
著者 ニコ・ニコルソン
雑誌『美術手帖』に連載された『根本敬ゲルニカ計画』が単行本になって登場。「ゲルニカ計画」とは、根本敬がピカソの《ゲルニカ》サイズ(349×777cm)の絵画を描くプロジェクトであり、その画材アドバイザーを現代美術家・会田誠が務めた。本書は、漫画家ニコ・ニコルソンが、根本が絵を完成させるまでを追うルポルタージュである。会田が指南する絵画の技法と表現は、アーティストを目指す人も必読の1冊。
根本敬ゲルニカ計画
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根本敬ゲルニカ計画 (BT BOOKS)
2019/10/08 12:43
“特殊漫画家”根本敬が大きな絵を描くという話
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投稿者:y0a - この投稿者のレビュー一覧を見る
“特殊漫画家”根本敬が、現代美術家会田誠のアシスト&アドバイスを受けて、ゲルニカと同じサイズのキャンバスに絵を描くという、創作実験をルポしたマンガ。大きな絵を描くのはお金もかかるし場所も要る。周囲に居る、その他多くの人の協力が不可欠で、これはプロジェクトの記録と言った方がいいのだろう。
これまでの根本の作品を見ると、とっても変な人・不思議な人という印象を持つ人が多いのかも知れないが、本人は自分が空虚であることを隠しておらず、創作意欲とか表現欲求とか、芸術家っぽいことを全然言わない。ただただ自然に周囲の勧めや要求に応じているだけ、という意味で「サラリーマン芸術家」などと言ったりする。しかし、完成した絵の何ともいえないプリミティブな気持ち悪さといたずらっぽさは、根本を通さないと出てこないものだ。これって何?会田誠、ナイスアシスト。事実上の共作だなぁ。
“ふつう漫画家”としての著者の仕事も、分かり易くてナイスだが、この世にある芸術やら何やらの評価は、大勢の思い込みの集合体なのかも知れないと思った。