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119件
チ。 ―地球の運動について―
著者 魚豊(著)
動かせ 歴史を 心を 運命を ――星を。
舞台は15世紀のヨーロッパ。異端思想がガンガン火あぶりに処せられていた時代。主人公の神童・ラファウは飛び級で入学する予定の大学において、当時一番重要とされていた神学の専攻を皆に期待されていた。合理性を最も重んじるラファウにとってもそれは当然の選択であり、合理性に従っている限り世界は“チョロい”はずだった。しかし、ある日ラファウの元に現れた謎の男が研究していたのは、異端思想ド真ン中の「ある真理」だった――
命を捨てても曲げられない信念があるか? 世界を敵に回しても貫きたい美学はあるか? アツい人間を描かせたら敵ナシの『ひゃくえむ。』魚豊が描く、歴史上最もアツい人々の物語!! ページを捲るたび血が沸き立つのを感じるはず。面白い漫画を読む喜びに打ち震えろ!!
【期間限定 無料お試し版 閲覧期限2025年5月8日】チ。―地球の運動について― 1
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チ。―地球の運動について― 8
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2021/10/04 01:24
タイトル回収の秀逸さ
18人中、18人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:たくあん - この投稿者のレビュー一覧を見る
タイトルを「チ。」という一文字で収めているのがすでに斬新であるが,サブタイトルの「地球の運動について」という文字を読み第一話をチラリと覗けば,カタカナの「チ」が地動説の「地」を示していることは容易に想像がつく。しかしもちろん,それだけで落ち着くものでもない。読み進めていくうちに,「チ」とは人間の好奇心の基点となる「知」であり,人類が歴史の中で受け継ぎ発展させてきた「智」であり,時代にとって新しすぎるものを唱える際に流れる「血」であり,好奇心という得体の知れないものに突き動かされてしまう人間の「痴」でもあるということが考えられるようになる。読む人によってはさらに新たな解釈も可能になるだろう。人を”動かす”ものは,いろいろな意味で「チ」なのだ。
チ。 第8集 地球の運動について (ビッグコミックス)
2022/09/03 01:36
「二者択一」ではなく、「迷い」の中にある希望。
10人中、9人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ゲイリーゲイリー - この投稿者のレビュー一覧を見る
「知性」と「暴力」、「理性」と「衝動」、そして「信じること」と「疑うこと」。
これらと同様に「地動説」を信奉する者とそれを阻む者、という対立構造も一見二律背反に思えるが、実際は表裏一体であることを本作は提示する。
そしてそこからどちらが正しいのかという二者択一の「決断」ではなく、どちらなのかと「迷う」ことこそが重要であるとということが描かれていく。
ただそうは言っても、「迷う」ことは非常に苦しい。
本当にこれでいいのか、もし失敗してしまったら、間違えていたら、という不安が絶えず付き纏う。
そしてそんな不安から逃れるように、私たちは早急に「答え」を求め、「結果」に飛びつこうとする。
しかしその一方で、「迷う」からこそ得られる苦悩が懊悩が絶望が私たちの糧となり、反省と自立を促し「迷う」ことから目を逸らさない強さを授けてくれる。
作中でもドゥラカが述べたように、迷いの中にこそ倫理があり、希望があり、そして自分だけの幸福を見出せる可能性が存在するのだ。
また、不正解だとしても無意味ではないということが描かれている点も特筆に値する。
作中では「地動説」は異端とみなされ、それを信奉する者は排除される世界が舞台となっている。
つまり「地動説」を信奉することは、社会的には不正解なわけである。
しかしそれでも本作の主要人物たちは「地動説」に心動かされ、愛してしまう。
では、不正解だと見なされる選択をした彼らの人生は無意味だったのか。
そんなはずはない。
「地動説」に地動説に心動かされてしまった自らを受け入れ、愛してしまったものを愛しぬこうと覚悟を決めた彼らだからこそ得られた幸福。
自らの命を投げ出すことさえも厭わないほどに魅了され、愛するものを見つけた彼らの人生が無意味なわけがない。
そんな彼らの生き様には、むしろ憧憬の念さえ抱いてしまう。
何かに心動かされてしまったという事実。
感動してしまった自分。
それらを受け入れた先にこそ幸福というものが存在し得るのではないか。
作品や言葉に感動した自分の心を否定することなく、衝動的に誰かにこの感動を伝えたいと思えるほどの何かを受容し肯定すること。
もしそれが否定されてしまったら、もし間違っていたらと私たちは不安に苛まれるだろう。
しかし肯定と否定の間で、期待と不安の間で迷い続けた先には必ず救いが、希望があると信じたい。
理性を超越し心に直接訴えかける本作は、そうした思いを抱かせてくれる。
2021/04/11 17:37
かなり面白い!!これは読むべき!!
7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:nico - この投稿者のレビュー一覧を見る
タイトルが変わっていて、さらにタイトルデザインを見ても「ん・・・?なんだこれどう読むんだ、『チ。』???」となってしまって、気になる漫画でした。
読んでなるほど、天動説が主流だった時代に地動説は異端の者として罰せられていた歴史をテーマに描いているかなり面白い作品でした。
世界の今までの常識を覆す発想ができる人って本当にすごい人たちなんだろうなと思います。この時代の人たちなんかはそれこそ命がけですし。
続きが気になる漫画です。今後がすごく楽しみです!