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天智と天武-新説・日本書紀-
正義の味方コンビ・中大兄皇子と中臣鎌足が、大悪人の蘇我入鹿を成敗して成し遂げた政治改革を「大化の改新」と言う。日本古代史上、最大級の暗殺事件だ。明治17年、美術研究家アーネスト・フェノロサと岡倉天心は奈良の法隆寺・夢殿の中にある謎の仏像を見ようとした。その仏像は「救世観音」と呼ばれ、聖徳太子をモデルにしたとされる。ところが白布でぐるぐる巻きにされて1200年以上も封印され、誰も見ることができない。おまけに、その仏像を見ようとすると天変地異が起こるという伝承まで残されていたのだ。ふたりが夢殿の扉を開こうとすると、恐怖に駆られた僧達が逃げ出すほど。しかも仏像を調べると、後頭部に釘が打ち込んであった!!ありがたき聖徳太子の化身を、なぜ人目に触れぬよう封印し、釘を打ち込み、絶対秘仏とせねばならなかったのか? まるで、その祟りを恐れているかのようである。ここで日本古代史上、最大の暗殺事件の犠牲者が浮かび上がってくる。「大化の改新」の真相は、中大兄皇子(天智天皇)と、父親を殺された大海人皇子(天武天皇)との、壮絶な兄弟喧嘩の号砲だったのだ……!!
天智と天武-新説・日本書紀- 11
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天智と天武 1 新説・日本書紀 (ビッグコミックス)
2014/03/22 17:15
日本史上最大の暗殺劇
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:やびー - この投稿者のレビュー一覧を見る
古代日本史上最大の暗殺、「大化の改新」に焦点をあてた一冊。
「正義」の中大兄皇子と中臣鎌足。「大悪」の蘇我入鹿との対比は小学生でも、日本史を習ったなら誰もが知識と知っている認識だ。
巻末の鼎談では、影響を受けた著書、「隠された十字架」の作者、梅原猛氏を招いた談話が面白い。 私も、「隠された十字架」を愛読した一人で古代史の深遠さに知的好奇心を掻き立てられた。
歴史は常に勝者が書き換えるのであり、敗者は語る術を持たない。
隣りのシナの歴史を見れば一目瞭然であり、改竄された真実を知ろうとすれば大事なのは創造力であり、作者・原案の二人は真実に迫ろうとする誠実な姿勢を感じる。
大化の改新を語る上でのターニングポイント「聖徳太子」に触れる機会が今後あるだろう。
蛇足になるが、本書を読んだ中で「蘇我(一族)は聖徳太子では?」と、考えた。
もちろん、二人の活躍年代に開きがあるが、蘇我(一族)の活躍を語り鎮魂をしなければならない。しかし、本名を挙げて奉れ無い変わりに架空の人物、聖徳太子を創作した…なんて妄想が掻き立てられた(汗)
「天智と天武」と、タイトルに惹かれ、表紙のイラストの魅力に購入してみた。 面白い!の一言、以下刊行中との事で次巻を購入予定だ。
2019/02/27 16:26
暴走が止まらない
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ねむこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
中大兄皇子が悪役なのは、絵柄からして最初からわかりきってはいたものの、次々と策を巡らす様は、ちょっと異様なほどじゃないかと・・・
天智と天武 9 新説・日本書紀 (ビッグコミックス)
2016/05/05 21:56
奇抜な発想の歴史フィクション漫画です!
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:pemta - この投稿者のレビュー一覧を見る
天智と天武の異父兄弟説は、以前からありました。天武は高向王と再婚前の宝皇女(後の斉明女帝)の間に生まれた王子ではないかという説ですが、この漫画ではズバリ、蘇我入鹿としています。
本朝皇胤紹運録では、天武の方が明らかに年上ですし、北畠親房が全身全霊を掛けて書き上げた神皇正統記ですらも、天智と天武は同年生まれになっています。
この部分に着目した歴史観をややBLを交えて世に問うたのが、この漫画でしょう。後編がどうなるのか――予想はつきますが、楽しみです。