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谷中に今もある、天王寺駐在所を巡る物語
2020/09/29 23:37
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投稿者:タオミチル - この投稿者のレビュー一覧を見る
「警官の血」という硬派なタイトルに加え、私の認識では、佐々木譲氏は社会派の作家。なんか重そうだ。手にとって冒頭の数ページを読むと、小説の舞台は、個人的によく知る谷中から、上野界隈のようで、紐解いた動機はそんなところ。
本書は、終戦直後の警察官大量採用時に警察官となったある男が配属を切望した天王寺派出所。願い叶って、着任してほどなく、五重塔火災が発生。時を同じくして男は謎の死を遂げた...。男の息子、その息子と様々な思いがあって、やはり警察官となり、時代の変遷とともに翻弄されてゆく物語。
上巻は、戦後すぐの東京上野界隈。焼け出された人々で溢れた上野公園の影も闇も裏もありそうな「警察官の治安」の話から、高度成長期、過激派の動きを掌握するための過酷な潜入捜査の話まで。
タイトルイメージに恥じることなく社会派の物語だが描き様はエンターテインメント。次はどうなるどうなると面白く、読み止らない。ともかくどんどん読み進んだ。「すぐに下巻にかかりたい!」と切に思った。上下巻そろえてからよみはじめることをおススメします。
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ミステリーではないです
2014/06/16 12:07
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投稿者:papanpa - この投稿者のレビュー一覧を見る
ミステリーではないのでご注意を。でも、面白いことは請け合いです。上巻あっという間です。
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迫力を感じる
2016/02/24 08:49
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投稿者:akiko - この投稿者のレビュー一覧を見る
「警官の血」という題名は素晴らしいと思う。戦後から平成にかけての歴史もしっかりと描かれており、血筋ということにとどまらず、我々の歩んできた道を振り返っている気持ちになる。
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骨のある硬派小説。親子三代、それぞれの時代背景に沿った警官人生が色濃くにじみ出ていて、一気に読めた。筆者は外国小説からストーリーのヒントを得たとのことがあとがきに書かれてあったがそちらの小説も読みたくなった。
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3代にわたる警官の男たち。上巻は祖父と父の代(前半)。
戦後の民主警察のあたりは、自分の知識不足のために、いちいちwiklで言葉を調べながらの読書となったので、ちょっと疲れてしまった。それでも読み進めたくなるのは魅力的。父の代は非常に面白い。学園紛争の時代。これは先が楽しみ!といったところ。
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直木賞作家の仲間入りである。
今まで数々の賞を取ってきただけに実力は十分ある。
戦争直後からの警察官一家の歴史を大河ドラマ風に描く。
縦糸に戦後の警察の歴史があり、勉強になる。
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三代続く警官一族のお話。
上巻は、初代の清二パートと、二代目の民雄パートの途中までが収録されています。
人情駐在警官として地元の人々に愛されるも謎の死を遂げた清二に、過酷な潜入捜査でちょっと精神崩壊ぎみの民雄。
そんな民雄が、おとんの死の原因究明に乗り出すよ、というところで上巻は終わってます。
やーん、もうーー気になるーー。
あと、なんと言ってもこのお話は、早瀬・香取・窪田の二十三年組面子がいいおじさんすぎて泣けます。
血のつながらないおじ。良いなあ……!
あと、一切語られてないんですが、清二の次男で民雄の弟である正紀はどうしてるのかが気になります。
下巻で出て来ることを祈りつつ! あー早く読みたいわー。
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2008年度『このミステリーがすごい』第1位作品。
面白かったです。
楽しめました。
先にドラマを見てしまったので、ちょっとネタバレ気味になってしまって
思い切り入りこむことが出来ませんでした。
でも、十分楽しめました。
下巻が楽しみです。
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待ってました!ようやく文庫化されましたよ。
映像化されたこともあり、非常に期待を持って
読み始めましたが、期待を裏切りません。
何より登場人物が魅力的です。
初代~3代目まで、一本筋が通りつつ
時代背景に合わせた性格付けがなされており、
話に引き込まれました。
個人的に上巻で特にグッと来たのは、窪田の
結婚話。4人の個人的繋がりと、その後の結末に
良いスパイスとなっている気がする。
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警察官三代による大河小説。
大河は苦手なのだけど、「このミステリーがすごい! 2008年版」で1位というので読んでみた。
時代は戦後の混乱期、上巻は一代目安城清二の話から始まり、二代目民雄までが描かれる。
謎の事件は清二から民雄まで引き継がれる。
謎も気になるし、民雄のこれからも気になる。
昔の東京の人々や風俗、そして警察という組織、はじめて知ることばかりで、様子を想像しながら読むのも面白かった。
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三代に渡る警官の血が巻き起こす悲劇のプロローグ。
二代目の民雄編の途中で上巻は終わるのだけれど、
引き込まれる引き込まれる。すぐに下巻に手をつけてしまった。
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面白かった。なんつーかわかりやすい盛り上がりはないけど、淡々と引き込んでいくものがあるような感じがしました。
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警官小説!
昭和23年の警官大増員時代に採用され、誠実に努めた成果が駐在所勤務。だが、気にかかる事件をあった・・・そして、突然の転落死。息子は父の背中を見ながら、血のつながらない叔父達(父の親友達)の支援で警官に! そして親子二代の同一の場所の駐在さん
しかし、若くして公安のスパイであったことが神経を蝕んでいたのだが、父の死の原因を知りそれが再発!自殺にも見える殉職となった・・・そして、3代目は新たな警官としての道を歩む
重厚に描かれた警察として、人間として生きることに苦悩するドラマ
読むべし!
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壮大な序章。
時代背景と警察組織に知識があったなら、もっと楽しめたかな。
いやでも、それでもおもしろかったです。
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舞台は終戦直後の東京。定職を探してみつけた『警官募集』広告で
主人公:安城清二は警視庁警察官採用試験を受ける。
昭和初期の警察官から入り昭和後期、平成と
父、息子、孫と三代続く警官の御話。
歴史に忠実にそった内容で
非常に興味深い内容になってます。
上巻で出てくる歴史的な事件時系列は
父親:清二(駐在警官)の時に
上野公園不法滞在者強制退去代執行、
御徒町親善マーケット(アメ横)手入れ、
谷中:天王寺五重塔放火心中事件、
父はこの五重塔火災の夜近くの
線路で不審な死をとげます。
息子:民雄(公安部出向、潜入捜査員)の時に
共産同赤軍派大菩薩峠事件
本庁公安エリートコースを辞退し
本来希望していた念願の駐在警官になった
息子の話は下巻に続き、
父:清二の自殺とされた不審死に
民雄は単独捜査を始める。