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カウンターから日本が見える―板前文化論の冒険―(新潮新書)
著者 伊藤洋一
座敷もテーブルもいい。しかし和食の醍醐味はなんと言っても“カウンター”だ。職人である板前さんが目の前にいる世界、そして一流の料理人の手捌きを見ながら食事ができる楽しみ。そ...
カウンターから日本が見える―板前文化論の冒険―(新潮新書)
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カウンターから日本が見える 板前文化論の冒険 (新潮新書)
商品説明
座敷もテーブルもいい。しかし和食の醍醐味はなんと言っても“カウンター”だ。職人である板前さんが目の前にいる世界、そして一流の料理人の手捌きを見ながら食事ができる楽しみ。それは誰がいつ、何故始めたのか? その時の社会と経済は? 日本にしかないのは何故? これらの疑問をまじめに追究。見えてきたのは「斬新なアイデア」であり、「大切にすべき日本文化の一つの形」だった。ひと味違った料理文化の本です。美味しくご賞味を!
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紙の本
「上質な料理をいただく場所としてのカウンター」って日本にしかないんだそうな
2007/12/17 17:04
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:SnakeHole - この投稿者のレビュー一覧を見る
俗に「スタンド割烹」なんて言ったりする,カウンターだけの,あるいはカウンターにテーブル席が2つ,くらいの日本料理屋ってあるでしょ? ああいう「上質な料理をいただく場所としてのカウンター」というもの,実は日本にしかないのだそうなのだ……なんかまどろっこしい言い回しになったが日本語これでおかしくないよね? そうなのだ。
日本で初めてこの形式の料理屋を開いたのは塩見安三……この名前に「おっ」と思ったヒトもいるだろ。オレも思った。「包丁人味平」の主人公・味平の姓「塩見」はたぶんこのヒトから採ったんだな。場所は大阪新町廓,大正13年のことである。日本料理と言えば仲井さんが運んでくるのを座敷で喰うものだったこの時代に「客の目の前で煮炊きをしてみせる」という形式のこの店は大評判になり,数年後に東京銀座に移転。今銀座の7丁目にある(んだそうだ,もちろん行ったことはないが)「本店浜作」というのがそれである。とまぁ,まずは故事来歴から解き明かし,なんでこの料理カウンターというものが日本にしかないのか,この存在は日本人のどんな文化や意識を体現しているのか,ということを解き明かしていくわけ。
……というわけで,とっても面白い本なんだけど,例えば上の「浜作」が「菊池寛や鈴木三郎助(「味の素」の創業者),谷崎潤一郎,石川達三というそうそうたるメンバーにヒイキにされた」という文章には言外に「この店に通えるワシは彼らと同格」みたいなイヤラシサがちと臭う。オレのヒガミですか? まぁそれはヒガミかも知れませんけど,住友基礎研究所の主席研究員で専門はデジタル経済だという偉いヒトが「(ビル・ゲイツは)ベーシックというOSのプログラマーだった」(164ページ)てなスットコドッコイを書いちゃったというのは事実でっせ。これ「塩見味平は水面浮島切りという茶道の奥義を身に付けた」つうのと同じくらい間違ってるからね(笑)