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電子書籍
大江戸曲者列伝―太平の巻―(新潮新書)
著者 野口武彦 (著)
出世になりふり構わなかった学者、イヌを食えといった町奉行、文化のパトロンになった汚職官僚、江戸城内のイジメ、ぶらぶら遊び暮らす幕末のパラサイト、災害速報で売り出した男……...
大江戸曲者列伝―太平の巻―(新潮新書)
大江戸曲者列伝 太平の巻 (新潮新書)
商品説明
出世になりふり構わなかった学者、イヌを食えといった町奉行、文化のパトロンになった汚職官僚、江戸城内のイジメ、ぶらぶら遊び暮らす幕末のパラサイト、災害速報で売り出した男……など四十五人。太平の世にもリスクはある。当人たちが大まじめに生きる姿は、傍目にはコミカルで、かつ物悲しい。歴史の素顔はゴシップに宿る。江戸時代二百五十年を《陰の声》で綴った無類に面白い人物誌。
著者紹介
野口武彦 (著)
- 略歴
- 1937年東京生まれ。文芸評論家。東京大学大学院博士課程中退。神戸大学文学部教授退官後、著述に専念する。日本文学・日本思想史専攻。著書に「幕末伝説」「幕府歩兵隊」など。
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紙の本
教科書などには絶対にとりあげられない江戸の太平期の裏話満載
2006/12/02 07:43
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:SnakeHole - この投稿者のレビュー一覧を見る
週刊新潮(実はオレ,この週刊誌を買ったことがない。ガキの頃うちの爺さんが読んでいたので,なんとなく爺になってから読む雑誌だ,という意識があるんだよね)に連載していた「OH! EDO物語」という歴史コラムをまとめたもので,教科書などには絶対にとりあげられない逸話ばかりを綴っている。この「太平編」がだいたい黒船来航まで,続く「幕末編」がそれ以降という構成。期間的にはめちゃくちゃアンバランスな気もするが,幕末はそれだけ百鬼夜行が横行する乱世だったということかも知れぬ。
面白く読んだのはまず忠臣蔵からみ。あの電柱松の廊下で……なにが電柱だ,殿中松の廊下で吉良上野介に斬りかかった浅野内匠頭を抱き留めた功績によって五百石の加増を受けた梶川与惣兵衛の複雑な心境とか,その内匠頭の切腹を検分しにいった大目付庄司下総守が若い頃ウナギの蒲焼き80切(!)をおかずにメシ6杯をたいらけたという大食らい伝説などがおかしい。時代は下がってご存知金さん,北町奉行遠山左衛門尉の彫り物の話。若い頃にぐれて入れたその彫り物が,実は桜吹雪なんて可愛らしいものではなく髪振り乱した女の生首が手紙をくわえてる図柄だったてのには驚いた。そんなこんなの45人の裏話,「幕末編」の38人も楽しみである。