第3章でのオランダ訪問に感銘
2024/01/16 12:02
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投稿者:落ち着き君 - この投稿者のレビュー一覧を見る
2000年5月の先の両陛下のオランダ訪問について。客観的かつ前向きに書かれていたと思います。先の大戦での日本軍によるオランダ人虐待問題について、晩餐会での上皇陛下のお言葉は謝罪ではないものの、主に収容所での強制労働や飢え、病気や日本兵に殺されるなど様々な形で亡くなったオランダ人やその生還者にに対して「深い心の痛み」を語ったことです。そのお言葉は訪問中に静かな賠償要請デモを行った被害者団体代表からも「精神的償いは済んだ」と感想を頂いたことは私も恐縮に思いました。上皇后さまは滞在中に元慰安婦のオランダ女性が自分の子供二人を探している手紙を読み、償い事業の責任者に想いを語ったことも素晴らしかったです。もちろんオランダには現在も収容所での苦しみを引きずり、日本人への憎しみを持つお年寄りもいることを心に留めることが少なくとも大切だと思います。
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外交というと各国首脳がテーブル上で議論している姿を思い浮かべがちだが、国賓が日本を訪れるたびに繰りひろげられる「饗宴」も実は形を変えた政治の場であることがわかる一冊。饗宴にはさまざまなメッセージが込められており、中でもどんなワイン・食事が振舞われたかということは非常に重要な意味をもっている。著者が特派員時代に取材した各国の饗宴が掲載されているが、日本と韓国、ドイツとフランスの関係をまとめた章は、「食」の役目の大きさを実感するはず。
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饗宴外交というけど、首脳会談や訪問など表の舞台の裏でも大変なお金と労力と気がつかわれる世界だと認識(笑)。ある意味見栄の張り合いか。ワインの選び方にもその国の気風が出るのが面白い。
でもまあ旧共産圏ではもてなされたくないな。やっぱ嫌い(笑)。
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『エリゼ宮の食卓』の著者の本。相変わらず料理からワインにまで隠喩的に散りばめられた政治的メッセージに関する著者の解釈が面白い
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[ 内容 ]
饗宴のテーブルは時に、表向きの言葉よりも雄弁に「本当の外交関係」を物語ることがある。
ブッシュが食べたフレンチフライ、「海の幸だけ」が出された独仏首脳の会食、天皇主催の晩餐会で飲まれなかった高級ワイン、日韓首脳会談における盧武鉉の驚くべき発言…。
真の政治的メッセージは、そうした饗宴の細部に宿るのだ。
ワインとメニューから読み解く国際政治の現実。
[ 目次 ]
第1章 ブッシュ大統領が食べた「フレンチフライ」
第2章 飲まれなかったシャトー・マルゴー
第3章 オランダ女王のガッツポーズ
第4章 美食が支える欧州統合
第5章 「今日の夕食は軽めにします!」
第6章 最も相手が難しい国、中国
第7章 ナマコのスープ、ツバメの巣のスープ
第8章 ホワイトハウスの饗宴
第9章 復活を告げるロシア
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[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
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プロトコール→外交における両者の取り決め事項。
国際親善における、皇室外交の役割。(友好増進と和解・慰霊)
タイ王室との友好の深さ、オランダとのインドネシア占領時の保障における確執。
中国の歓迎宴の基本は『四菜一湯』
饗宴の飲み物のグローバル(世界標準)化
→自国のワインよりも、イタリア・フランスの最高級ワインでもてなせるか?が国威にも通づる。
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国と国とのかけひきの場である外交の舞台を、その場所や提供される食事や飲み物などの内容から分析し、それぞれの国がその交渉をどれだけ重視しているか分析して見せた好著。読みやすくて面白く、新聞やテレビの報道だけだと伝わらない、その重さ軽さが分かってくるような気がします。
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ワインと饗宴から外交を読み解く新書である。
筆者お得意の内容であるようだが、やや構成が煩雑で、ある話題の途中で他国の話に移ったり、時代が前後したりするところは読みにくかったかな。同じ「フォーサイト」連載のまとめとしては近刊の「饗宴外交」の方が締まった印象がある。
ただし、内容的に不足があるわけではない。特にオランダについての章は本当に読みごたえがあった。不見識にしてオランダの反日感情を知らず、こんなことがあったのかと本当に驚かされた。
上記の理由から星は一つ下げているが、良書である。読む価値のある新書だろう。
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ワインが飲み物だけではなく、外交上の隠されたメッセージが込められた秘符であることを具体的に解く。
作者が毎週金曜日に毎日新聞で連載している「金言」については、賛同できかねる意見が多いけど(中国の世論戦の片棒担ぎ)、この本は素晴らしいと思う。
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20150430読了
蔵書。「エリゼ宮の食卓」の著者。この本はフランスに限らず、食を通じた各国の外交を綴っている。
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本書では饗宴の意味を「料理、それと組み合わせたワインやシャンパンなどの飲物。ホストとゲストのスピーチ。テーブルでの話題。食後の室内楽や独唱会などの演出。儀礼やしきたりといったプロトコール(儀典)……。饗宴とは、このもてなし全体のことを指している」(p.1)と説明している。饗宴とは、各分担者の「協演」を統合したものともいえるかもしれない。各饗宴の事例を紹介し、表された演出と背景にある意図を解説し、一つの本にまとめた意義は大きい。その演出の方針は普遍化・個別化してきたという。これがグローバル化の影響だとすれば、国というレベルでなく、法人や個人同士の饗宴をアレンジし、解釈する際も承知しておくべきことなのかもしれない。必要なのことは、料理、ワイン、文章・会話、音楽、作法等について熟達し、実践できることと理解した。これが「教養」なのだろう。
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料理と共に饗されるワインにかくされたメッセージを読む本
ただ美味しいものを食べているわけではなく、どういう意味が込められているかワインの銘柄から各国の心理を読み取れるのかと思うとただグルメというだけの知識意外にも奥行きを感じる
オランダから見た時の第二次世界大戦からの反日感情を初めて知りとても衝撃を受けた
アジアだけでなく、その向こうのヨーロッパの各国が日本をどう見て、どのように感じているかこれからもっとよく考えないといけないのかもしれない
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2015年9月20日に開催された第1回ビブリオバトル全国大会inいこまで発表された本です。予選E会場発表本。
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試験後の解禁の一冊は軽めのものから~といって積読からチョイス。
ワインの知識がなくてもスラスラ読める一冊です。
そもそもワインの一つ一つの違いなどには興味がなく、
なぜそこでそのワインを選ぶのかに興味がある私には
ぴったりのアプローチでした。
各国元首のスピーチに隠された意味や饗宴にこめられた意味など面白い。
外国特派員の方が饗宴の場から見た外交舞台という切り口は
なかなか面白いと思いました。
特に印象的だったのが日本とオランダの関係。
一面的な教育を受けてはいけないものだと改めて実感するとともに、
日本のトップ外交(&慰霊)は皇族に一手に押し付けてるのかなぁ
とも感じました。(2010.6.1)
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だいぶ前の本だけれども、饗宴で表現される意図、各国の思惑、事前のプロトコールの駆け引きなど、興味深かった。ただ、時系列が前後したり、話が各国間を行き来するのがちょっと違和感...。それ以外は楽しく読めた。