鶏鳴狗盗の名場面
2015/12/18 21:38
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:咲耶子 - この投稿者のレビュー一覧を見る
嘗邑を与えられた孟嘗君田文は、孫ぴんの遺言で斉を出る。
魏に乞われて宰相となり、斉にもどって宰相をつとめ、更に秦に赴くが、そこで生涯最大の危機を鶏鳴狗盗(けいめいくとう)で切りぬける。
「夜を込めて…」と詠んだ清少納言に対して「漢文の才能をひけらかして」と苦々しく言った紫式部。ひけらかしてもイイと思う。ひけらかしたくなるよ。
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ゆうたろう - この投稿者のレビュー一覧を見る
欲に溺れ、保身に走りがちな人間・時代の中で、本当に大切にするべきものを理解し、「足るを知る」ことができていたのが孟嘗君だと思った。
国を富ますためには、争ってただ単に領土を広げるのではなく、その国の与えられた条件の中で様々に工夫していくことが大切なのだと思う。
人の上に立つ者は、広く人々の暮らしに目が行き届く人でなければならない。これは、今の時代にも言えること。
ただ、こんなに名君と言われた孟嘗君でも、その子供たちが争って後継が絶えた、となると仕事もプライベートも充実…というのは今も昔も難しいのかね、と思ってしまった。
投稿元:
レビューを見る
戦国時代、斉・魏・秦の宰相になった「孟嘗君」を書いた作品なり。
戦国時代の中にいて国よりも人間を愛した孟嘗君の仁と義の心を味わっていただきたいなり。
投稿元:
レビューを見る
嘗邑(しょうゆう)を与えられた孟嘗君・田文(でんぶん)は、「天下万民のための宰相たれ」との孫びんの遺言で斉を出る。魏に乞われて宰相となり、斉にもどって宰相をつとめ、更に秦に赴くが、そこで生涯最大の危機を鶏鳴狗盗(けいめいくとう)で切りぬける。激しい争乱の世と、人間を愛して生きた戦国の名宰相を描ききった、感動の歴史ロマン。
【感想】
http://plaza.rakuten.co.jp/tarotadasuke/diary/200505150000/
投稿元:
レビューを見る
読んだ!という感覚が突き抜けました。
政治云々よりも人との関わりから編まれる歴史を感じられると思うので読みやすいと思います。
投稿元:
レビューを見る
孟掌君シリーズ最終巻 何ともあっさり終わってしまったというのが正直な感想。確かに文献にはそれ程の記録が残っていないらしいこともあると思うが、結局半分は、孟掌君の父、風洪(白圭)の話で、残りが孟掌君(田文)であった。当初の危惧通り、尻切れ蜻蛉で最終巻は特に筆を急いですすめた感が強い。一人一人の描き込みが上手い作者だけに、全体の物語の構成にもう少し気をつけてくれたら、ずっとレベルが高くなるのにという残念な気はする。
投稿元:
レビューを見る
孟嘗君、最盛期。
「鶏頭狗盗」のエピソードも載っている。
■読み終わった感想
伏線をきちんと回収してて、面白かった。
歴史小説というか、本当によく出来た小説だと思う。
人は人に助けられて、生かされているということを学んだ。
投稿元:
レビューを見る
宮城谷作品は淡さとともに幕を下ろす。長い尾を引く流星のように。田文(でんぶん)こと孟嘗君(もうしょうくん)は数千年の彼方に舞い戻る。
http://sessendo.blogspot.com/2011/07/blog-post_18.html
投稿元:
レビューを見る
孟嘗君は食客に恵まれ、人に恵まれた。斉、魏、秦の宰相として大きな力をふるったのは人生の中年を過ぎた頃、と大器晩成の宰相として本当に人から評価されるようになったのは若い頃養父と実父に育てられ、いろんな人に会うことで人を見る目を養ったからだろう。
投稿元:
レビューを見る
先日、宮城谷昌光さんの「重耳」を読んだことを紹介した際、「孟嘗君」全5冊を買ったことにも触れていましたが、ようやく読み終えました。
全5冊、読み終える日数はかかりましたが、実際はかなりぶっ飛ばしました。
というか、面白くてついつい端折ってしまった感はあります。
「重耳」のときは、重耳自身の活躍ぶりが、あまり紹介されていなかった…と思ったのですが、この「孟嘗君」は、孟嘗君(田文)の活躍ぶりもしっかりと描かれています。
ただ、5巻中、3巻の後半までは、ほとんど孟嘗君(田文)はでてきません。
どちらかというと「白圭(風洪)」の活躍が中心で、ものすごく魅力的に描かれています。
この白圭(風洪)と同じぐらい、孟嘗君(田文)も魅力的に描かれているのが、「重耳」との違いでしょうか。
白圭(風洪)、孟嘗君(田文)だけでなく、孫子(孫臏の方)をはじめ、多くの魅力的な人が描かれています。
周囲にいる人の魅力も描かれた小説なので、どこをとっても面白いです。
いろいろな名言がちりばめているのも、この本の魅力です。
投稿元:
レビューを見る
あまり質感を感じさせないさらっとした語り口でありながらいつも人というものについて考えさせられる。最後にあっと言わせられる食客の正体には熱いものがこみあげた。
投稿元:
レビューを見る
うーん。鶏鳴狗盗がクライマックスなのは充分分かってたのですが何なのでしょうか、この寂寥感は。他の方々のレビュー程楽しめませんでした。
投稿元:
レビューを見る
秋戦国時代に生きた宰相の話。食客を招き、大切にした人である。人を大切にすることにより自分が助けられるというのを感じる物語です。
孟嘗君も魅力的なのですが、養父の白圭(風洪)の方がさらに魅力的ですね。民の益となる包みを建造したり、人のために生きた商人として描かれているのですが凄く格好良いです。
臨終の際に孟嘗君に告げた「人を助ければ、自分が助かる」「助けてもらった人に礼を言うのではなく、助けてあげた人に礼をいうものだ」という言葉は胸に染みました。人間の価値は、どれだけ多くの人の心の中で温かい記憶として残っているかなのかなというのを感じられる物語です。
投稿元:
レビューを見る
氏の傑作『楽毅』に登場し、その物語に深く関わる孟嘗君が、どんな生を歩んだのか知りたく思い拝読。
主人公格の風洪の活躍があまりにも華々しいため、肝心の孟嘗君・田文がすっかり霞んでしまっているきらいがあるが、仁と侠を程よく兼ね備えた風洪のさっぱりした生き方にはただ憧れるばかり。
投稿元:
レビューを見る
んー、考えさせられる本でした。情報が今のように入りにくく、策謀がひしめく中で、道を外さず一貫した善政。「民のために」。この本当の意味は、与えるのではなく、与えられる邪念なき器が必要だということかと。情報はその通信手段に依存せず、邪念なき器には必ず集まる。これが本当の民意なんでしょうね。最後は爽快な読後感でした。