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電子書籍
食い逃げされてもバイトは雇うな~禁じられた数字〈上〉~
著者 山田真哉 (著)
あの有名な牛丼屋にはなぜ食券機がないのか? 1グラムのことを、なぜ「タウリン1000ミリグラム」という? 「数字が嫌い」「数字が苦手」「数字なんて見たくもない」――そんな...
食い逃げされてもバイトは雇うな~禁じられた数字〈上〉~
食い逃げされてもバイトは雇うな 禁じられた数字 上 (光文社新書)
商品説明
あの有名な牛丼屋にはなぜ食券機がないのか? 1グラムのことを、なぜ「タウリン1000ミリグラム」という? 「数字が嫌い」「数字が苦手」「数字なんて見たくもない」――そんな人でも正しい訓練をすれば、数字は誰でもうまくなります。数字がうまくなれば、インパクトや説得力のある文章が書けるだけではなく、ビジネスにも強くなります。「さおだけ」より「食い逃げ」!1時間で読めて一生効果が続く、数字&会計の入門書。
著者紹介
山田真哉 (著)
- 略歴
- 1976年兵庫県生まれ。大阪大学文学部史学科卒業。公認会計士。中央青山監査法人を経て独立。「さおだけ屋はなぜ潰れないのか?」で2005年度の書店新風賞を受賞。
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紙の本
数字を使える道具にする本
2007/05/30 10:13
7人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ふきのとう - この投稿者のレビュー一覧を見る
『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』の第2弾。
『さおだけ屋・・・』は、会計学を優しく解説して、数字に興味を持ってもらう本であったが、こちらは、数字をことばとして捉えている。
数字に単位が加わると深い意味のことばになる。
最初に出前に行っている間に食い逃げされてしまうラーメン屋の話が出てくるが、食い逃げされるのと、バイトを雇うのではどちらが損なのかを、実際に計算してみると説得力のある答えが導き出せる。
5%還元キャンペーンのライバル会社に対し2%還元分の予算しかない会社の打ち出す手の答えになるほどとうなずかされる。
初めての監督作品と第1回監督作品では、印象はどう違うのかなど数字を使う長所やノルマなどの数字の暴力性などにも触れられている。
この他にも数字を使った例が多数出てきて、その不思議さや落とし穴に驚かされる。
道具としての数字の知識があれば、これからの一生がお得で楽しいものになりそうです。
紙の本
「さおだけやはなぜ潰れないのか」の続編
2008/08/26 22:01
6人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:龍. - この投稿者のレビュー一覧を見る
「さおだけやはなぜ潰れないのか」の続編とも言うべき本。ただ、ミリオンセラーのさおだけ屋に比べると、ややパワーダウンは否めないか・・・。
本書では、数字のマジックと言われるものを中心に会計を少し離れて、「数字」に焦点をあてて解説しています。
特に「数字は言い換えられる」という部分に共感。自分の有利な数字の言い回しで相手を納得させることは結構簡単なことなのです。
よくあるたとえで、「コップに水が半分しか入っていない」か「コップに水が半分も入っている」と言う具合に、同じ現象でも、表現の仕方一つでイメージが正反対になるのです。
数字は使いよう。
http://blog.livedoor.jp/c12484000/
紙の本
数字を見て現実を見ていないという過ち
2007/06/05 23:52
20人中、17人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:木の葉燃朗 - この投稿者のレビュー一覧を見る
この本は「1時間で読めて効果も高い本」(p.201)にするつもりで書いたとのこと。1時間で読めるというのはその通り。しかし、効果がある本、役に立つ本かどうかは、人により異なります。例えば同じ著者の『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』を読んだ人には、この本の効果はせいぜい50%でしょう。
「ライバル会社が、買い物時に代金の5%を還元するというキャンペーンをはじめ」(p.96)たので、これに対抗したいが、「悲しいことにお金がない。せいぜい2%還元分の予算しかありません」(p.97)、さあどうする、というクイズのように、『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』に登場したのと同じ話も書かれています。
したがって、知らない人は「目からウロコ!」と絶賛し、知っている人は「なにをいまさら!」と憤慨するような本です。
そして、この本のタイトルになっている「食い逃げされてもバイトは雇うな」という結論は、実は間違いです。正確には、「食い逃げされてもバイトは雇うな」という結論だけを見れば正しいが、この問題設定自体に意味がない。これについて以下で説明します。
設問の舞台となるのは次のようなラーメン屋。「1時間に2人はお客さんが来る」(p.125)、「お客さん1人あたりの売上高は、ビール代なども含めて平均1000円。開店時間は1日10時間」(p.125)。そして、「食い逃げされてもバイトは雇うな」の根拠になるのは、次の計算。
このラーメン屋は「お客さんがいるのに、店主が出前に出てしまうことがあります。その間、お店がカラになるので、食い逃げをする人がたびたび出てしまいます」(p.128)。しかし、「店主は見張りのためのバイトを雇おうとはしません」(p.128)。この時「食い逃げする確率を20%(5人に1人)、バイト代を時給800円とする」(pp.128-129)と、「お客さんの数 2人×10時間=20人/食い逃げの被害額 20人×20%×1000円=4000円/バイト代 800円×10時間=8000円」(p.129)となる。つまり、食い逃げの被害額4000円よりも、バイト代8000円の方が高い。したがって、「食い逃げされてもバイトは雇うな」。
でも、なんだか変だと思いませんか。私がこの部分を読んで真っ先に思ったのは、「店をカラにしたときのリスクって、食い逃げだけなの?」ということだった。
前提条件として、「店主が出前に出てしまう」と「お店がカラになる」とある。そしてお客は1時間に2人。ということは、店にいるのがお客1人となる可能性がある。そこで考えられるリスクは、果たして食い逃げだけだろうか。私はレジの金を盗んでいく可能性を考えます。あるいは店に火をつける者もいるかもしれない。
もちろん、店の金が盗まれる可能性、放火される可能性は過去の事件のデータなどを元に調べる必要がある。またこの店は保険に入っているかもしれないし、毎日の売り上げをどこにどのように保管しているかによっても、リスクとなる(盗みや放火で失われる)金額は異なる。
こうした可能性をすべて検討した上で、たとえ店がカラになる時間帯があっても、バイトは雇わない方がいい、と結論しているのであれば納得できる。しかし、「食い逃げの被害額」と「バイトの給与」というたった二つの数字だけで結論を導き出しているのは、「数字を見て現実を見ていない」という過ちを犯しています。1時間で読める本にするために内容を単純化したことが悪い面で出たと考えます。