紙の本
最終篇のカラーページが胸に沁みる
2016/10/30 19:15
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投稿者:タンポポ旦那 - この投稿者のレビュー一覧を見る
何とも不思議な雰囲気を持った作家だ。ほぼ描線だけで描かれているにも関わらず、言葉の無い絵から感情が滲み出てくるようだ。描き下ろしデビュー作とは思えない完成度の高さに驚き。
冒頭の「惑星9の休日」で、いきなり地球外惑星に跳ばされ、SF世界の味わいでスタート。筒井康隆の「佇む人」にも似た情感を漂わせた佳作。それなのに次の作品からは、まるでテキサスかアリゾナの田舎(行ったことはないが)暮らしのような、身近な日常の生活に溶け込んだミステリ風の作品が続く。この時点で読者としても既に惑星9の住人の一人となっているのかも知れない。
そして「衛星の夜」。ジョニー・ハートマンのジャズナンバーが似合う粋でメランコリックな作品で、思わず「フライ・ミー・トゥー・ザ・ムーン」を口ずさみたくなるほど。映画の「スペース・カウボーイ」をも思い出す感じだ。
最後を飾る「灯」は、本作品集中の白眉ともいえる。特にここでのみ使われたカラーで描かれたラストの灯りが、郷愁を浮き彫りにして胸に沁みる。
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なかなかシュール
2022/07/07 18:12
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投稿者:ちーかま - この投稿者のレビュー一覧を見る
短編マンガが八話。全体的に独特の趣があるので他と違うマンガが読みたいという方におすすめ。個人的には「衛星の夜」が一番のお気に入りです
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今のとこ
2019/02/06 01:14
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投稿者:レイン - この投稿者のレビュー一覧を見る
今のところ短編の物語に強い印象を与えてくれることはない感じ。ただ雰囲気は強く印象に残ってるので嫌いじゃない
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風船を手から離してしまって、青空へ飛んでいく開放感。それと同時に感じる寂寂さ。ドラマもちゃんとあるが静かな漫画。
「それはどこかへ行った」という言葉がこの漫画を象徴しているように感じる。
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うう‥すごーくすごっく良い漫画だった。
おすすめしたいいろんな人に。でもこのまんが、好きと言ってくれる人少ないかもしれない‥?いやわからない。
おたく受けと言うか、本好きにはうけると思うのですけど。どうだろう。
装丁が南伸坊さんというのが!びっくりしました。
デビューコミックスで全編書き下ろし。
星新一から毒素をぬいた小説って感じでした。
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辺境の星「惑星9」を舞台にしたSF短編集。
SFとは言ってもそういった要素は物語の味付け程度で、小難しい設定は登場しない。砂漠ばかりの広大な大地で生活する人々の物語は時に切なく、そして心地よい。
因みに公式HPで1話分試し読みができる。気になったなら検索してみよう。
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すっきりした絵柄。胸の上の方をすーーーっと横切っていって、なにか残しそうで残さないかんじが森絵都のショートショートに似てる。最後の、日陰の街のお姉さんのお話が好き。
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自身のサイトでひっそりと漫画を公開してきた町田洋。電脳マヴォに掲載した「夏休みの町」が今年の文化庁メディア芸術祭のコミック部門の新人賞をとったりと、じわじわきている新人さんです。
そんな彼の初のコミカラズが、「惑星9の休日」です。
お話的には「惑星9」という閑散とした星があって、その星に暮らす人々の日常が描かれている。また、ちょっとしたSF的なお話があったりして、その辺がセンスオブワンダー!ではないけど、ちょっと不思議な雰囲気がなんとも心地いい。
町田洋は特徴として、人の心の変化を風景として、切り取るのがとてもうまいだと思います。
「午後2時横断歩道の上で」という話では、なんでもない日常の中、なんとも思ってなかった女の子と横断歩道渡っているときにいきなり恋に落ちる、そんな話があって、そのシーン見開きを使ってドーン見せている。その見開きのシーンが絵として魅力的で、主人公にこんなこと言わしちゃう。
「この瞬間は永遠だと思った」
くーーーたまらん。
青臭すぎない?って方、ご安心ください。絵が、グラフィック的というか、ところどころカクカクしていて、全体的にはさっぱりとした印象。多分テン年代はこういう漫画を読んでいるとモテると思います。
自分的には、西村ツチカや市川春子に続く、新しい才能を持った新人さんだと思ってます。これからが期待です。
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夜とコンクリートからさかのぼり。
良い漫画。とても良い漫画なんだけど、人を選ぶ感じがする。星新一っぽい感じもしたが、あそこまで皮肉や毒が効いているものではなく、するりと突き抜けていくような爽快感がある。この持ち味はなかなか出せるものじゃない。
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宇宙の辺境にある惑星9が舞台の話なんですけど、ゴリゴリのSFじゃなくて静かでセンチメンタルな感覚が心地いいSF短編集です。
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惑星9という架空の惑星で繰り広げられるオムニバスストーリー。
最初の話以外は惑星9の舞台を活かしきれてないような気がするが、面白い
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できれば夏の季節に読む事をお勧めする。
8つの短編から構成され、「惑星9」を舞台としている。
どれも、非日常で淡々と物語が進みぼーっと読む事ができる。
星新一が好きな人ならこの作品は好きになれる。
彼の作品のように社会を皮肉・風刺してはいないが、その独特の世界観、情緒性にはとても惹かれる。
絵で敬遠している人にも是非読んでほしい。むしろ、シンプルな線で描かれているため、集中できるかもしれない。
元々はwebで公開されていたという事もあり、試し読みで1話を読む事ができる。気になっている人はそちらを読んでから、購入を検討してみるのもいいだろう。
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ジャケ買い。
んー。けっこう好きな空気感なんだけど。んー。 もひとつなんかあるとなぁ。
色んな映画を面白かったと称するおじさん好き。
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なんかシュール?
好きなとこは
表題作品 垂直に自転の凍りついた町と砂漠
「衛星の夜」 唯一の生物、粘菌
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辺境の惑星9。寂れた小さな星。
乾燥した大地。白く射す日差しに抜けるような青空。あるいは満天の星。地平線がどこまでも続く。
人けのない場所に佇むこの感覚は何なのだろうか?頭の奥が痺れるような、少し寂しいような。
孤独ではない。孤独はむしろ人の中で疎外されたときに強く感じる。自分と世界が溶け合うような心地よさ。感覚がひろがっていく…。
そして、なんだか人恋しくなる。好ましい誰かに隣にいて欲しいと思うようになります。そんな漫画です。