神様のメモ帳6
高校の文化祭が押し迫る晩秋、ラーメンはなまるにやってきたのは、チャイナマフィアの後継者兄妹。なんとミンさんの親戚だという。ミン父・花田勝の引き起こした事件をきっかけに、な...
神様のメモ帳6
商品説明
高校の文化祭が押し迫る晩秋、ラーメンはなまるにやってきたのは、チャイナマフィアの後継者兄妹。なんとミンさんの親戚だという。ミン父・花田勝の引き起こした事件をきっかけに、なぜか持ち上がるミンさんの縁談。そこで立ち上がったのは、ヒロさんだった。 「おれからの依頼。この婚約、ぶっ壊してくれ」 ヒモのくせして、ついにミンさんに本気! 二転三転の結婚騒動を描いた 「電撃文庫MAGAZINE」 掲載作と、ヒロさんの師匠初登場の書き下ろし短編 『ジゴロ先生、最後の授業』 を収録した第6弾!
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ニート探偵の本来の役割
2011/04/29 17:04
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:くまくま - この投稿者のレビュー一覧を見る
ラーメンはなまるにミンさんの従兄妹たちがやって来る。黄紅雷と黄小鈴と名乗る彼らは、ミンさんの父、花田勝が人を殺して逃げたという。黄家は中国マフィアのトップの家柄なのだ。
その代償として、ミンさんに花嫁の身代わりをして欲しいという紅雷だが、そこにはなし崩しでミンさんを嫁にしようという意図があった。それに気づいたヒロは、散々逡巡した上で、アリスにそれを阻止する依頼をする。
ネットの海に生きるニート探偵、アリスですらも容易に足取りをつかめない、花田勝の動き。そうかと思えば、タイミング良く連絡を入れてきて、捜査の行方を誘導しようとする。一方で、本職のマフィアの前には、藤島鳴海の詐欺師めいた話術も、四代目の暴力も通用しない。
このままだと娘がマフィアの嫁になってしまうというのに、まったく見えてこない花田勝の目論見。アリスが明らかにする真相には、娘を思う不器用な父の生き方があった。それなのに、事件を収束させるために取った手段は、非常にジゴロ的という正反対さ!
短編で、ヒロの師匠でありアリスの大叔父でもある紫苑寺吾朗が登場する、「ジゴロ先生、最後の授業」も収録している。長編の流れで読むと、面白さは倍増するかもしれない。
ところで花田勝の経歴って、どこか南雲慶一郎を彷彿とさせる印象があるなあ。