ヒト、動物に会う―コバヤシ教授の動物行動学―(新潮新書)
著者 小林朋道 (著)
岡山の山野を駆けめぐる狩猟採集少年の魂をそのままに、動物行動学者となったコバヤシ教授。研究のため、教育のため、そして何よりも抑えきれない好奇心のため、“動物まみれ”の日々...
ヒト、動物に会う―コバヤシ教授の動物行動学―(新潮新書)
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商品説明
岡山の山野を駆けめぐる狩猟採集少年の魂をそのままに、動物行動学者となったコバヤシ教授。研究のため、教育のため、そして何よりも抑えきれない好奇心のため、“動物まみれ”の日々を送っています。あるときはプレーリードッグに借家を破壊され、またあるときは小さなヒミズに多くを学び、そしてまたあるときは飛べないドバトに求愛され――。動物行動学のエッセンスに触れる、忘れがたき動物たちをめぐる十一の物語!
著者紹介
小林朋道 (著)
- 略歴
- 1958年岡山県生まれ。岡山大学卒。理学博士(京都大学)。鳥取環境大学教授、同・ヤギ部顧問。著書に「ヒトはなぜ拍手をするのか」「先生、巨大コウモリが廊下を飛んでいます!」など。
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動物マニア
2014/04/27 11:49
1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Tucker - この投稿者のレビュー一覧を見る
動物行動学者の著者が研究のために触れ合った動物達とのエピソードを紹介するもの。
ただ、多くの場合、「研究」というのは、名目で動物達に対する好奇心が、なによりまず第一にあるように感じる。
まあ、そうでなければ、動物行動学という学問を専門にしたりしないだろうが・・・。
「動物行動学」というと、「コンラート・ローレンツ博士」の名前が思い浮かぶ。
(・・・というか、とっさに名前が出てくる人は、この人しかいない。)
その著書の中に「人イヌに会う」という本がある。
本書を初めて見た時、タイトルは、この本のパロディかと思ったが、「はじめに」の所で、"意識したものである。"と書いてあった。
いち早く気付いた、と思っただけに、ぬか喜びだった。
取り上げられているエピソードは、学問的な内容は少なく、こぼれ話的な内容が多い。
個人的なお気に入りは
「自転車にからまっていたカラスの話」
「プレーリードッグに家の壁を破壊された話」
「飛べなくなったドバトの世話をした話」
の3編。
よくぞ、ここまでやれるな、と思わせるエピソードばかり。
そういえば、コンラート・ローレンツ博士の「ソロモンの指環」にも似たような話が多かった。
動物を相手にする学問だと、人の世界の感覚とはずれてきてしまうのだろうか。
ところで、本書を読んでいると、動物達は決して、本能だけで生きているわけではない、と思うことができる。
動物達が認識している世界は、人間とは、かなり異なるものだろうが・・・。
一度でいいから、少しでいいから、覗いてみたい。
ローレンツのように動物と接する日本人研究者。
2016/12/16 17:08
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:銀の皿 - この投稿者のレビュー一覧を見る
動物行動学を築いたとされるローレンツの「ヒト、イヌに会う」に倣ったというタイトル。コンラッド・ローレンツといえば飼っていたワタリガラスに求愛されたり、生まれたヒナの母親に間違われたり。それまでの学問とは異なる形で動物を研究してきた人だ。本書にはローレンツのように動物と接してきた著者の”動物まみれ”の話題が集められている。
子どものころに拾ったり育てたりした動物たち。庭の小動物を継続して観察したり、想定外の「実験結果」に驚いたり。どの話も面白い。子どもの頃の話は、同世代ぐらいの読者には「自分もこんな風に外で駆け回っていた」という懐かしさもあるだろう。研究の話は「こういう研究もあるのか」と感心したりもする。
拾った生き物が元気になれば野生に戻す。死ぬこともある。喜びや悲しみや、さまざまな反応に対する驚きもある。身近な生き物に触れあうことで、人間の感性は育っていくものだ、と著者の文章は教えてくれる。
裏を返せば、そういった「身近な生き物(ヒトも含めて)」との触れ合いが遠くなってるのが現状だ、ということなのだろうか。本書で一番感じたのはそういうところだった。