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白狐魔記3 洛中の火
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白狐魔記3 洛中の火
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洛中の火 (白狐魔記)
商品説明
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。
悪夢で目覚めた白狐魔丸は、京の町で、十蔵という男に出会う。彼は、楠木正成の間者であった。十蔵に勧められ、楠木正成に会う白狐魔丸。正成は白狐魔丸をキツネと見破る。正成はこれまでの侍のタイプと違っていた。好きな主君のためでもなく、自らの土地や家族のためでもなく、それでも命を懸けて主君の無理な要求に応じようとしていた。しかも頭の勘も人一倍いい。白狐魔丸には、これほどの男が、なぜ、主君後醍醐天皇の言いなりになるのがわからない。一方、キツネの化身雅姫は自分の思い人を死にいたらしめた護良親王の暗殺を企てていた。
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紙の本
日本人にとって武士道こそ文化、っていう刷り込みがあります。要するに江戸、明治と引き継がれた殺人の歴史を正当化する権力者の発想。で、白狐はそれをあっさり否定します
2007/04/03 19:43
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
大好きなシリーズ第三弾です。出版が2000年で、手元にあるのが2006年で5刷。子どもが順調に育っているのを見ているようで嬉しいですね。装釘・挿絵は、今まで同様に高畠純。前巻で、章の数は扱う時間の長さと対応するか、なんて書きましたが、それはこの巻には当て嵌まらない全24章。
カバー折り返しの内容紹介は
「白駒山の仙人の弟子となり、修行ののち、
人間に化けることができるようになった狐、
白狐魔丸の人間探求の物語。
元の襲来時に、天の「気」をうごかし
嵐をおこした白狐魔丸。
こんどの活躍は、五十一年後、
時は室町時代初期。
楠木正成という武将と出会う。」
巻末には、前巻同様この巻を含めた年表がついていて、話の流れだけでなく、日本史の一部がとてもよく分るのが有難いです。ちなみに、白狐魔丸が今回、目覚めたのは、後醍醐天皇が隠岐の島に流された1332年で、お話はそれから、楠正成が亡くなる1336年の4年間を扱います。
主な登場人物は、前巻でも登場した吉野の雅姫と、彼女(狐ですが)が愛した北條時輔に似た心根の持ち主・越後守、六波羅北探題の北條仲時、楠正成と彼を慕うしのび大和十蔵が大きいです。そして欲に取り憑かれた後醍醐帝と、人の尻馬に乗ってあわよくば権力を握ろうとする大塔宮などがいます。
三巻を続けて読んで思ったんですが、これはいわゆるビルドゥングス・ロマンではないようです。何故かといえば、白狐魔丸は最初からかなり完成した存在なんですね。無論、人語を聞き分られるだけだった狐は、自らも人語を話し、姿も動物から人間までとあらゆるものに変わることができるようになる。
物を消すことも、再び現すこともできるし、人の心を操るだけではなく、その人格を乗っ取ることすら可能になります。そういう意味で、技術者としては成長をしています。でも、彼の心のうちは殆ど変わりません。人が殺しあうことへの嫌悪、疑問は一貫していますし、自分が知らないうちに大きな力を発揮してしまっては後悔するところも同じでしょう。
大嫌いな武士のなかに、とても魅力的なところを見つけはしますが、彼らが部下たちの犠牲によって生き延びることを許すことはありません。忠義のために死んでいく親しくなった武士たちに涙をすることはあっても、彼らが尊い命を捧げたものにそれだけの価値があるとは決して思いません。それは最初から一貫しています。
ただし、奇麗事だけではすみません。怒りに駆られ思わず自らの手を血で汚してしまう。もし、成長ということを当て嵌めるのならば、この部分。でも、狐が本当にこころを休めるのは白駒山に戻って、彼と同じ心根の持ち主である仙人のもとで弟子として修行しているときなのです。
今までよくあった「武士は偉い」「皇室は敬うべきもの」といった根拠のないことがらに拠るのではなく、白紙の状態から人間とは何か、命の尊さ、日々の暮らしの大切さを語ることで平和の尊さを教える稀有の物語といっていいでしょう。日本にある桃源郷、それが白駒山以外にないとしたら、それは寂しいことではあるんですが・・・
紙の本
『洛中の火 白狐魔記3』
2017/04/27 19:38
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:百書繚乱 - この投稿者のレビュー一覧を見る
白駒山の仙人から化身の術をさずかったきつねの白狐魔丸
元寇の時代から約五十年の眠りにつき
目ざめて出会ったのは楠木正成に仕える十蔵という武士だった
執権北条高時に対する後醍醐天皇、護良親王、足利尊氏
覇を競って戦い殺しあう人間の姿を見つめる白狐魔丸
人間に興味をもったきつねの目を通して描く斉藤洋の歴史奇譚
読んでいるうちに歴史に詳しくなる1996年からの人気長寿シリーズ
既刊6冊の第3作は2000年初版
紙の本
シリーズ全て集めたくなった
2005/01/10 18:51
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:江川あおい - この投稿者のレビュー一覧を見る
白駒山で修行し、化身することができるようになった「白孤魔丸」が主人公のシリーズ。今回は足利幕府へと移り変わるとき、という時代設定。歴史小説は苦手な私だが、この話に出てくる人は有名人ばかりで(笑)拒否反応もなく読み進むことができた。シリーズ4冊あるようなので、ぜひ全て読破したい。