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投稿者:luke - この投稿者のレビュー一覧を見る
「家族趣味」乃南アサ。(1)疑惑の輝き(2)彫刻する人(3)忘れ物(4)デジ・ボーイ(5)家族趣味、以上5篇収録されている短編集です。全作が共通のテーマではありませんが、所謂日常的というか特別の人間が犯す過ちではなく普通の生活の中で起きている話です。普通の人が普通に生活している中で、ちょっとしたボタンの掛け違いが大きな出来事に発展してしまう。それの怖さとは誰でもが心の奥に悪意が潜んでいるというような人間的な部分よりも、安心していられる家庭や学校や会社…そして社会がいかに脆く不安定なものなのかと思わざる終えない状況こそが怖いのですね。成るようにしか成らない、なんて簡単に言い切りたいけれど、やはり成るように成らしている…ように思えます。成らしている1本の柱でも無くなれば崩壊してしまう程、微妙なバランスがあるのじゃないだろうか。日常とは故に壊れやすいわけで、壊れやすいから強い意志が必要なのですね。
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投稿者:凛珠 - この投稿者のレビュー一覧を見る
疲れて眠い中で読んだ「忘れ物」。てっきり寝ぼけていたせいで読み方を間違えたのかと思ったのだが、ひょっとしたら、どんでん返しだったのだろうか……? ネタバレになるので、詳しくは書けないけれども……。
普通の人々がふとしたことで道をはずれ、破局を迎えるような作品が集められた本書だが、「デジ・ボウイ」はその中でも少々毛色が変わっている。この作品を読めば、作者が実は人間を愛しているのだろうということが分かる。それでいて安っぽい人情劇にはなっていない。
見事騙されました。
2001/06/15 21:01
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投稿者:みやぎあや - この投稿者のレビュー一覧を見る
短編集。最後に意表を突かれる話が多く、その意外性を素直に楽しめた。
中でも「やられた!!」と地団駄踏みたくなったのは「忘れ物」。読み終わってしばらくは唖然。うわうわうわ、信じられない。やられた、卑怯!!なんて叫びたくなったけれど、落ち着いてくるとその引っ掛け方にニヤリとさせられます。面白いとか何とか言う前に、ぜひ他の人が騙される所を見てみたい。なんだかそんな意地の悪い気分になるお話(笑)
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投稿者:ちーかま - この投稿者のレビュー一覧を見る
全5話のサスペンス短編集。ある対象に執着し続けた結果、日常が徐々に壊れていく5人の物語。果たして彼らの結末は如何に…という感じ。面白さとしてはまあ普通ですね
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僕には緑色の血が流れてる…。救いようのない"時代の病理"ゆえの悲劇。「都会人の異常な心理」(アーバン・シンドローム)を巧みに描いたサスペンス。
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表題のお話しは、家族趣味っちうより、趣味家族なはんて感じなのよねぇ。
このお話しの主人公のような方は、多いんじゃないかしらねぇ。
miti的には『デジ・ボウイ』がダイシキなのねぇ。泣いた!んふう。
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内容(「BOOK」データベースより)
人生は楽しく、充実していなければ。そこそこ出世した旦那に、健康な息子。私の仕事も順調だ。そして、恋も…。次々に年下の男性との不倫関係を重ねてゆく、奔放な主人公を待ち構えていた運命は?表題作をはじめ、宝石にとり憑かれた女の破滅的生活を追う「魅惑の輝き」、少年の底知れぬ不可解さを描いた「デジ・ボウイ」など、日常に潜む狂気を抉った直木賞作家の傑作短編5編。
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短編集。魅惑の輝きは、我が身を振り返る。デジボウイがいちばん好きで、最後は本当に泣いた。彼女の短編集の中でいちばん秀逸だと思っています。
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2007/5/24読了。短編集ですが、日常の中から生まれながら非日常を見事に描いたミステリーの集成です。
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乃南さんの短編集。個人的にハズレなし。ちょっとずつ世界とずれていって、崩れていく様がうまい。実際こうなんだろうな。ありふれた風景の中に潜んでいる罠。自分が見る世界と他人が見る世界の違い。ずれ。自分が見てるもの、感じていること。どこまで他人と共有できてるんだろう。
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肝心の「家族趣味」だけはなんだかあまり響いてこなかったけれど‥。
なんてすごいの乃南アサ!!
あたし飽き性なので、ふだん本は一度に何冊か並列して読むんです。こういう短編集なんかは特に。
‥なんだけど、
一気に全部読んでしまった‥
「忘れ物」のトリックが見破れませんでした‥お恥ずかしい‥
個人的に「デジ・ボウイ」がオススメです
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◆あらすじ◆
人生は楽しく、充実していなければ。そこそこ出世した旦那に、健康な息子。
私の仕事も順調だ。そして恋も……。
次々に年下の男性との不倫関係を重ねてゆく、奔放な主人公を待ち構えていた運命は?
表題作をはじめ、宝石にとり憑かれた女の破滅的生活を追う「魅惑の輝き」、少年の底知れぬ不可解さを描いた「デジ・ボウイ」など、日常に潜む狂気を抉った直木賞作家の傑作短編5編。
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内容(「BOOK」データベースより)
人生は楽しく、充実していなければ。そこそこ出世した旦那に、健康な息子。私の仕事も順調だ。そして、恋も…。次々に年下の男性との不倫関係を重ねてゆく、奔放な主人公を待ち構えていた運命は?表題作をはじめ、宝石にとり憑かれた女の破滅的生活を追う「魅惑の輝き」、少年の底知れぬ不可解さを描いた「デジ・ボウイ」など、日常に潜む狂気を抉った直木賞作家の傑作短編5編。
内容(「MARC」データベースより)
僕には緑色の血が流れてる…。救いようのない"時代の病理"ゆえの悲劇。「都会人の異常な心理」(アーバン・シンドローム)を巧みに描いたサスペンス。* --このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。
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実際に読んだのは単行本なので少し違いますが、写真がないと寂しいのでこちらを載せることにしました。
読み終わった感想は「怖い」です。ちょっと大袈裟に書いてる部分もあるだろうけど大なり小なり似たようなことはあるかもしれないなと思いました。1番悲しく切なかったのはデジ・ボウイですね。生きることの素晴らしさを知って欲しかったなと思います。私は生きていればきっと楽しいことも幸せなことも巡ってくると思う人間です。もちろん悲しいことも辛いこともあるけれど、それがあるから楽しさや嬉しさを感じるのだろうとも思うのです。いや、そう思わないとやってられないと思うことも実際にはあるんだけど。だからこそこのままじゃ終われないなんて思うことも。もしも息子がこんな風に生きていくのなら辛い。そう思います。
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そこそこ出世した旦那に健康な息子を持ち、
仕事も順調にこなす奔放な女性。
すべては趣味と言い切りながら、
次々に年下の男性との不倫関係を重ねてゆく表題作。
すべてが思い通りにうまくいっていると感じ、
自分は自分で楽しく過ごして誰にも迷惑かけてないじゃない、
それぞれが自立した家族でいいじゃない、
というスタンスが少々自分の価値観と通ずるところがあり、
衝撃の結末に恐ろしくなってしまった。
実は家族には心のつながりがなかったことを突きつけられショックを受けたとき
結局年下の男に走って気を紛らわすなんて。
端から見ているとその情けなさが分かるのに、
自分にもそういった要素が潜んでいるのは間違いなく。
振り返ると恥ずかしい自分がいる。自分を律することって大切だ。
ほか、宝石にとり憑かれた女の破滅的生活を追う「魅惑の輝き」、
少年の底知れぬ不可解さを描いた「デジ・ボウイ」など、短編が5作。
日常を過ごすなかで、いつ道を外れるかわからない裏表の恐怖がにじみ出ていた作品だった。